穏やかな春も終り、本格的な暑さが到来しようとしています。郷瀬川の葦原ではヨシキリが一風変わった囀りを歌い上げ、先日には、今年初めてのホトトギスが鳴きました。このふたつの声を聞くと、本当に夏の到来を感じます。
「朝に辞す白帝彩雲の間 千里の江陵一日にして還る 両岸の猿声啼き往まざるに 軽舟已に過ぐ万重の山」有名な李白の七言絶句です。「朝焼けに彩られた雲のたなびく白帝城に別れを告げて 千里隔たる江陵まで1日で帰っていく 岸から聞こえるサルが鳴き終わらないうちに 私の小船は軽やかに連なる山々を越えてゆく」//高校生で始めてこの詩を習ったとき、特に何の感慨もなく、音感のよさで記憶していましたが、此処で働くようになって初めてテナガザルの声を遠くに聞いたとき、彩雲の中の白帝城が浮かび、更には激流を下る小船の水しぶきが感じられるごとくにこの詩を思い出しました。
なぜテナガザルの声かということですが、「猿」のさすサルはしっぽのないサル、しっぽのあるサルは「侯」の字を当て、この場合は地域から見てテナガザルであるとするのが妥当であると習ったか、何かの解説書で読んだ記憶が有ります。
犬山駅の近辺を白帝町というそうです。それではさしずめ犬山城が白帝城ということでしょうか。いつか郷瀬川のほとりで、朝焼けの犬山城を見ながらモンキーセンターから響くテナガの声を聞いてみたいな。とひそかに想っています。
写真 「Dear Pretty Baby」
アジア館の赤ちゃんたち

ブタオザル フローラ
マリーママといつも一緒

トクモンキー ボタン
ママはベテランだからいつもお姉ちゃんたちに貸し出し
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