おさる獣医師の動物園歳時記
【 シマシマ天使の住む国 編 】
いつもは裏方でサルの診療にあたっている「おさるの獣医師」が
緑豊かな動物園の自然と動物について
感じるままにシャッターをきり 書きとった「動物園歳時記」です
平成17年3月12日、不思議の島からやってきた
シマシマ天使「ワオキツネザル」を放飼する新施設
「Wao(ワオ)ランド」がオープンしました。
水掘越しに全体を見渡せ、
観察デッキから直接サルのいる空間に入られる
ワオの飼育場は、日本初となります。
生息地マダガスカルの疎開林を模して
飼育環境を整えると共に、
面積もサルが自由に走りまわれるだけの
広さを取ってあります。
ワオキツネザルは、体長約40センチと
ネコくらいの大きさです。
名前の由来となった白黒リング模様の尾は
約60センチ、体重は3キロ程あります。
姿かたちだけでも見とれてしまうほど
美しいのですが、それ以上に独特な仕草や行動に
魅力を感じます。
寒い時期や朝夕には、
日が照るとお日様の方向に向って
両手を広げ一斉に日光浴を始めます。
これを目にした人はひと時時間を忘れ、
独特な癒しを覚えることでしょう。
また、警戒心が薄く温和な性格から、
ワオキツネザルの方からデッキで観察する人の
そばへと歩み寄ってくることがあります。
彼らが足元や、時には靴の上をまたいで、
風のように「ふっ」とすり抜けていく体験は、
言葉では表現できない不思議な感覚で、
他では経験できません。
デッキを通ってランド内に入場できるのは
土日祝日とGWなどの特別な日のみとなっています。
週末や連休にはあなたも天使のすむ異空間で
不思議な異次元体験をしてみてはいかが!。
この原稿は中日新聞愛知県広域近郷版に掲載された「愛ラブ自然」を元に
写真は同カットですがフルサイズの写真を用いたり、新たな写真を加えています。またテキストは加筆修正を加えています。