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皆さんは野生のニホンザルを見たことがありますか。多分、「ある」と言う方は少ないでしょう。
しかしサル達は皆さんを意外と見ていると思います。愛知県ですと額田郡あたり岐阜県ですと関市あたりでも観ることができます。「観る」には若干の馴れが必要ですが何度か観なれるとドライブ中にも「アッ、サル」となります。くれぐれも安全運転でお願いします。何でも無い土手などにズラリと座っていたりします。先のサミット参加国で野生のサルが見られるのは日本だけです。ちなみに青森県下北半島のニホンザルはサル類の中で最北端に生息するもので国の天然記念物にも指定されています。サル類はどちらかと言えば暖かい地域の動物ですから、海外では雪の中の彼らを「スノーモンキー」とか「ミラクルモンキー」と呼んでいます。他に「温泉につかるサル」「芋を洗うサル」「たき火にあたるサル」など世界でも例を見ないユニークな役者揃いです。
しかし、ドライブで深山幽谷の住人であるはずのニホンザルが観られるということは、そこに大きな問題があるということにもなるのです。「猿害」という問題です。彼らは通りすがる観光客を見物に来ている訳ではありません。畑や果樹園の作物を失敬しに来ているのです。原因は色々考えられますが多くは開発と植林により彼らの棲息域を人が奪ってしまったことでしょう。とはいえ、農業被害もその地に生きる方々には死活問題です。これが「猿害」です。まだ解決策は見つかっていません。日本は猿学の先進国です。
動物園もこの問題には真っ向から取り組んでいかなくてはならないでしょう。人のためにも、世界一ユニークなニホンザルのためにも。その答えは世界中の絶滅に瀕している野生動物や人間をも救う重要なヒントになるかも知れません。
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「※この文章は平成2年8月26日から31日までの間、
中日新聞・〜親子の緑陰室・夏休みリレー講座〜
に掲載されたものに加筆修整を加えたものです。」 |
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