園長室たより  毎月掲載シリーズ  
すごいサルたち「略してスゴサル」のコーナー

生まれながらにバグパイプを持つサル 
〜ギボンハウス・テナガザルの島の住民〜

 バグパイプをご存知でしょうか。よく知られるものにスコットランドの民族楽器であるハイランドパイプがあります。途切れることのないベース音は空気が大きな袋から押し出されることで発生し、同時に演奏者が直接吹く息でメロディーを奏でます。もう一つの特徴は大音量でしょう。戦では敵を威嚇するために最前線で演奏されたほどです。そんなバグパイプを生まれながらに持ち合わせたサルがフクロテナガザルです。名前の通り顎の下にはバグパイプと同様の機能をもつ大きな袋を有します。全身真っ黒な大型のテナガザルの一種です。袋から出る空気でアーという途切れのない甲高いベース音を放ち、肺からの呼気でクァックァクァーと歯切れの良い音を合成します。誰しもが2頭でデュエットしているかと勘違いするほど見事な演奏ですが同時に近辺での会話を困難にするほどの大音響でもあります。今日も犬山の山々に彼らのラブソングや縄張り主張の歌が響き渡ります。朝と夕方がベストタイムでしょう。

※ この文章は名古屋鉄道株式会社社内誌「れいめい」に、申年
にちなんで(平成16年4月から平成17年3月まで)連載された
原稿をもとに、加筆修整したものです。
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