
写真:チンパンジー |
コウモリにはご存知のとおり、超音波を発生させる能力があります。超音波は喉にある膜様の器官を振動させて、口や鼻から声として発します。これで暗い中、昆虫を捕らえたり、障害物を察知してすばやく飛行するわけです。イルカはオデコの中にメロンという器官があり超音波を発生させるので少しメカニズムが違います。
ところで、サルにも超音波を発生させることができるものが少なからず存在することはあまり知られていません。その中で比較的有名なものに、南米の小型サルであるマーモセットやタマリンがあります。
ではなぜ昼間に、視力を使って行動するマーモセットたちに超音波を発生させる能力があるのでしょうか。それはそもそも、霊長類の進化にお話を戻さなければなりません。
恐竜が闊歩する中生代白亜紀(といっても私自身、ピンときませんが)には哺乳類の先祖の中に食虫目というグループが既に存在していました。ここから、モグラやコウモリの先祖も進化し適応放散を繰り返し、現在に至ったと考えられていますが、実は人類の先祖も同じ頃、ここから進化の道をたどってきたのです。ですからコウモリの能力の一部くらいは引き継いでいてもおかしくは無いわけです。実際には、超音波は障害物に弱く(コウモリはそれを利用していますが)森の中ではあまり役にはたちません。単に残存器官にすぎないのでしょう。
そんな超音波を発生させる器官は、実はチンパンジーにも痕跡として残っており、人間も同様であることが最近判ってきました。
モンキーセンターの南米館ホールでは「キー」とか「チーチーチッ」といった甲高い声がきかれます。が、それは甲高いだけで、残念ですが超音波ではありません。超音波はたいていのヒトには聴くことのできない音域だからです。はるか太古に思いを馳せながら聴くことのできない音を楽しむ・・? 一度お試しください。
写真:ピグミーマーモセット
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