ヒヒの城担当:荒木
※(注)アルファオスとは順位が一番高いオスの呼び方です。度々でるのでぜひ覚えてください。
以前、ヒヒの城のアルファオスについてコメントがありました。
「コクトがアルファオスではなくなったと知り、衝撃です」
そうなんです。
園内でのスポットガイドの際はしれっと言っていますが、コクトは現在、アルファオスではありません。
じゃあ、誰なんだ?となりますが・・・
せっかくなので、私がヒヒの城を担当して始めた2012年~現在までのアルファオスとその座をめぐる群雄たちを紹介していきます。
まず、2012年、私がヒヒの城を担当し始めた時、アルファオスは「ゾロ」でした。
ゾロはヒヒのコドモたちには優しいものの、飼育員たちには厳しく、向かってくるときのオーラなんかはすごかったです。
そんなゾロに異変が出たのは2014年頃です。
膝の調子があまり良くなく動きがにぶりはじめため、治療するために群れから外すことになりました。
治療を開始しましたが、病気が悪化したのか下半身不随となり、2015年の2月に死亡しました。当時ゾロはまだ15歳でしたので、まだまだ若かったです。
ゾロが群れから外れた2014年の秋ごろからアルファオスの座をめぐり、争いが始まります。
当時イケイケだったオス7頭の中で度々争いが起こりました。
手を組んで戦うもの・・・群れずに1頭でケンカをふっかけるもの・・・争いを好まないもの・・・
私はロミオに頑張って欲しかったんですが、願い叶わず。
担当者たちのなかでアルファオスの本命されていた「コクト」がアルファオスの座につきました。
これが2015年の夏頃です。
そしてこれからコクトの時代が2年ほど続きました。
この2年間タズナは相変わらずイケイケでしたが、ロミオやロンは争いを好まないようで、ある程度高い順位を維持しつつもそれ以上順位をあげることはありませんでした。
その2年の間にすくすくと成長した下の世代が2018年の春から暴れだしました。
その争いの中心になっていたのがこの8頭です。
8頭は年齢が近く、がたいが良し!血の気多い!オスたちが揃っていたので、ケンカになるとかなり激しかったです。
誰かが大けがして、治療が終わる頃に別の誰かがケガするみたいなのが繰り返していました。
それに巻き込まれたのか、混乱の時代に名乗りを上げたのかわかりませんがその下の世代も
イケイケになっていました。
もう2018年夏からはまさに混沌で
先ほど紹介したイノ世代がコクト世代とケンカしたと思ったら、ナバロ世代に八つ当たりするとか
イノ世代とナバロ世代とのケンカにコクト世代が割って入るとか・・・
担当者はケンカの多さに困り果てていました(泣)
そして2018年の冬には少しずつケンカも減り、順位も安定してきました。
コクトはなかなか頑張ったんですが、やはり若いオス2頭のタッグと勢いには敵わなかったようです。
コクトもアルファオスの座からフェードアウトしていき、
現在はヒヒの城の極悪コンビことナンとヤッタがTOP2です。
ナン
ヤッタ
この2頭は単体でもかなり強いのに、仲が良いので結託するんです。それはコクトも他のオスたちも敵いません。
ナンとヤッタのなかではナンのほうが気持ち偉そうかな。でもほぼ一緒くらい(荒木談)
サルたちの順位は無駄な争いを避けるためなどで必要なんですが、あまりにもケンカが多いのも担当者泣かせです。
ひとまず現在はナン&ヤッタで安定しているので、ヒヒの城にきた際はぜひ探してみてください!