今回は原野と森の家でくらすマンドリルのオス、キンシャサについてのお話をご紹介します。
こんにちは、原野と森の家担当の奥村です。
7月から飼育担当として入ることとなりました。
担当に入ってすぐにアビシニアコロブスのイダテンが生まれ、続いてレモネ誕生……
なかなかない機会に恵まれましたが、これまで飼育担当をしたことがない種の
相次ぐ出産にドキドキしながらやらせてもらっています。
今回ご紹介するマンドリルは、とても馴染みがある種です。
昨年の11月にアフリカセンターから原野と森の家に移動したマンドリルのキンシャサ。

キンシャサは奥村が唯一顔馴染みではない
リエルというメスと一緒にくらいしているのですが、
アフリカセンターから原野と森の家へキンシャサが移動した際の体重が22.3kgでした。
そんな記録を日報などで知って、
「いやいや、そんなわけ……。さすが測り間違いとかかな?」
と当時はまず最初に疑ってしまったのを覚えています。
キンシャサといえば……
『マンドリルのおとなのオスは、メスにくらべて身体がでかーい♪』
と、唄までつくって歌っていたほどだったので、
推定でも30kg以上あるはずでした。

こちらはアフリカセンターにて、群れでくらしていたの頃のキンシャサです。
小柄な体格というわけでもないサヤコというおとなのメスとくらべても、
その大きさは歴然です。
この頃は実際に30kg以上体重があったと思います。
ちなみに9歳の頃のキンシャサはこちら。

身体は大きいのですがすらっとしております。
そして14歳の頃のキンシャサがこちら。

手足が太くなり、お腹もふくよかに。
そしてなんといっても頭のうしろの、当時『みね』という
謎の呼び方をしていた部分の盛り上がりが半端ないです。
キンシャサはそんなイメージがあったので、体重の減少を心配していました。
原野と森の家に移動した直後から尿検査などで糖尿病が疑われ、
2025年の1月より傾向による投薬が始まりました。
依然として尿検査での糖の値が高いままだったため、
2025年3月よりインスリン注射による定期的・継続的な治療がはじまり、
4月の麻酔下の検査でⅡ型糖尿病であることがわかりました。
その際の体重は19.9kg。
視力の低下や手足先の異変などはみられず、
食欲や活力も問題なさそうでしたが、
投薬を続けていることによる影響か、肝機能などの低下が確認されました。
この頃から奥村も作業引き継ぎなどで原野と森の家に出入りすることが、
ちょくちょくあったこともあり、体重測定や給餌内容などの
栄養評価に関するアドバイスをしておりました。
担当に入ることになった7月からは、月に1~2回の体重測定や
給餌内容の見直しなどをおこないました。
キンシャサがアフリカセンターから移動してきた際は、
新しい施設に慣れていないこともあり、果物以外にあまり手をつけなかったそうで、
給餌内容はアフリカセンターの頃よりカロリーも糖質も1.5倍なメニューでした。
いきなりガラッと給餌内容を変えてしまうわけにもいかないので、
ゆるやかに少しずつ見直していくことになりました。
8月には投薬内容の変更を獣医師から提案いただき、1ヶ月試してみたりしたのですが、
先日おこなった9月の再検査でも血糖値の低下はみられず。
詳細な検査項目は現在外注依頼にて結果待ちとなっています。
この際の体重は18.8kg……

アフリカセンターから移動後の半年で2.4kg減。
4〜9月までの半年で約1.1kg減。
アフリカセンターでくらしていた頃の直近の体重減少は把握できていないのですが、
原野と森の家に来てからの体重減少率は半年で半減はしていることがわかりました。
とはいえ減り続けていることに変わりはありません。
糖尿病の治療を継続しつつ、今年8月にはEAZAのガイドラインのマンドリル版が発表されたこともあり、
最新の情報を取り入れながら、給餌内容やくらしぶりを少しでも良い方向へと進めていけたらと思っています。
そして、採血トレーニング。
キンシャサはこの冬で20歳になります。
マンドリルのオスでこの年頃は長生きといっても良い年齢だと思っており、
検査のための麻酔なども極力控えることが身体にとっても負担が少ないと考えています。
定期的な体重測定と並行で無麻酔での採血による血液検査をなんとか出来ないかと計画中です。
国内の他の園館さんでも、この試みがおこなわれています。
時間や人手はもちろんかかりますし、キンシャサの性格からしても、
なかなか触られるのはちょっと……みたいなことは予想されますが、
負担にならない範囲でできる限りチャレンジしていきたいと思っています。
また、経過をこちらでご紹介します。
