シロテテナガザルは、東南アジアに棲息するサルの一種で、テナガザルの仲間の中でも最もお馴染みのサルです。生息域は広く、ビルマ、タイからマレー半島、そしてスマトラ北部にまたがっています。テナガザルは、体毛の生え方と体毛色の差異で、大まかな種分けができるとされています。
シロテテナガザルは、その名のとおり白手袋をしたように手首から先が白く、また、顔の周囲に白い縁どりがあるのが特徴です。その他の部位は、黒、褐色から薄茶色、灰白色とバリエーションがあり、地域によって黒型、茶(薄茶・白)型、混合型と分かれるようです。当園飼育個体は、混合型です。この体毛色は、大変美しく目をひきます。たまたま当園飼育個体では、オスが黒、メスが茶系で見分けが簡単でした。しかし昨年九月三十日に生まれた「ジャック」は母親と同じ茶系(薄茶)ですが、りっぱな男の子です(写真)。母親の「ジェニファー」の四番目の子どもで上に姉「ジェシカ」(薄茶)と二頭の兄「トミー」「ホビー」(共に黒)がいます。残念ながら父親「ダニエル」は昨年三月末に急死しており、「ジャック」は、この忘れ形見となります(妊娠期間七ヶ月)。 五頭の家族は、時々小さな喧嘩もあるようですが、「ジャック」はのびのび育っています。
この春、動物園では二十種約三十頭の赤ちゃんが生まれ、飼育舎前では、お客様の「かわいい」の歓声があがっています。六月十七日には父の日イベントも計画しています。来月ご来園の際には、「かわいい」の奥にあるサル家族のふれあいにもぜひ目を向けて見て下さい(2007-05-30))
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