この春もたくさんの赤ちゃんが生まれ、
動物園では多くの新しい命が息づいています。
今回は
「サルの赤ちゃんは、どうしてこんなにかわいいのでしょう?」
というそんな素朴な疑問に対する私的考察です。
@大きさ
大きいよりも小さいほうがかわいい!でしょうね。
Aバランス
三等身で頭部が大きくて、顔の造りもはっきりしている。
そしてもちろん目もクリクリッと大きいほうがかわいい!でしょう。
B色
体色が暗い色よりも明るい色がかわいい!。
配色も重要な要素ですね。
C仕草
表情ももちろんそうですが、
ユーモラスな動きが見られたり、
意外な動きがあったりするとかわいい!でしょう。
Dサル特有の体のつくりサルは体のつくりがヒトに似ており、
赤ちゃんが背負われ、抱かれる姿の基本型がヒトと同じですね。
乳房の位置もヒトに近くて自然と授乳のポーズも似ることが多くなります。
そうしたことから感情移入はしやすくなるのではないでしょうか。

写真は南米ブラジルが原産のシロガオマーモセットの親子です。
5月2日生まれの赤ちゃん(真中)がお母さん(左)に背負われています。
母親の体重はおよそ300グラム。
赤ちゃんのそれは50グラムほどでしょうか。
小さくて、三等身で目パッチリです。
名前のとおり配色もよく、表情もよくわかりますね。
ただお母さんの乳房はヒトよりも少し脇寄りにあって、
授乳スタイルは少し異なります。
マーモセットには首を傾けて
こちらをじっと見つめる独特の仕草がありますので、
これもかわいく感じさせるポイントの一つでしょう。
・・・いろいろ講釈を並べてきましたが、
やはり
「かわいいものはかわいい!!!」
で、良いのかもしれません。
なんでもかわいいと言うことに対して批判的な方もみえますが、
かわいい対象に対しては「好き」とか、
「愛しい」という感情が付属しています。
「うっ。かわいい!」。
動物園で素直な感情を口に出してみませんか。
(2009.07.29)
木村直人(日本モンキーセンター・獣医師)
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