おさる獣医師の動物園歳時記
いつもは裏方でサルの診療にあたっている「おさるの獣医師」が
緑豊かな動物園の自然と動物について
感じるままにシャッターをきり 書きとった「動物園歳時記」です。
予想外に寒い冬となりました。
堪える寒さが続く中、日向を選んで歩く自分がいます。
太陽の有難味を改めて感じています。
太陽に向かって両手を広げる日光浴のポーズで有名なのは
ワオキツネザルですが、今日はその仲間、エリマキキツネザルをご紹介します。
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エリマキキツネザルは、白黒の配色がくっきり分かれ頭、顔、胸、腹、両腕
そして内股、尾が黒い色をしています。太陽に向かって伸び上がる日光浴のポーズでは、両肩から内股まで黒い面が日に当たりますので、熱の吸収には効率的です。

ワオキツネザルのお腹は白色ですので、動物園で見比べてみてください。
日光浴中の表情も面白く、満足そうに目を細めているのがわかります。
(2枚目の画像にマウスを乗せてみて下さい。)
イヌもネコもヒトも日だまりでホッと一息、リラックスした時の表情には共通点がありますね。
当園ではこの他にクロキツネザルとブラウンキツネザルを飼育していますが、
両種にはこうした日光浴ポーズは見られません。
筋力などの身体の仕組みか、代謝の違いなのか、理由を考えると興味は尽きませんが、この日光浴ポーズを創り出した自然ってすばらしいと思いませんか。
風のない朝が見頃です。サルと一緒にまったりと、日光浴はいかがでしょう。
(2012年2月2日更新) |
木村直人(日本モンキーセンター・獣医師)
この原稿は中日新聞愛知県広域近郷版に掲載された「愛ラブ自然」を元に
写真は違うカットを用い、テキストは加筆修正を加えています。
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