おさる獣医師の動物園歳時記

いつもは裏方でサルの診療にあたっている「おさるの獣医師」が
緑豊かな動物園の自然と動物について
感じるままにシャッターをきり 書きとった「動物園歳時記」です。


 

 皆さ〜ん、夏をさぼっていませんか?夏休みも折り返し。今こそ外に出て自然とふれあう最高の季節です。
 世界サル類動物園内の「リスザルの島」は、どんぐりの木が生い茂り、ちょっとした森林浴が楽しめる施設となっています。20頭余りのボリビアリスザルは夏を楽しむかのように今日も元気に暮らしています。また、島内ではデッキの通路を通ってお客さまもサルを身近に観察でき、一緒に樹蔭で過ごすことができます。リスザルの島の周囲ではセミの鳴き声の嵐ですが、島内ではあまり聞かれず比較的静かです。実はセミをはじめ昆虫類はこのサルたちの大好物なのです。落ち葉の下に隠れ棲む虫たちも餌になってしまうのですから、自ら居場所を鳴いて教えるセミなどは文字通り「飛んで火に入る○○」となってしまうのです。飼育スタッフが常駐していますので、リスザルの夏の暮らしについて質問してみてください。サルには触れることはできませんが、きっと新しい発見があるはずです。また、1頭に目星を付けて行動を観察されるのも楽しいかと思います。写真は、3歳の雄で「ウズラ」という名が付いています。どうやって見分けているのか興味ありませんか?

 この後、お盆期間中の毎日(8月12日〜15日)と夏休み中の土曜日(8月11日、18日、25日、9月1日)は、「トワイライトZOO」も実施します。この「リスザルの島」のほか、園内では「アフリカコーナー」も大盛況です。涼しい夕暮れ時、リスザルたちにぜひ会いに来て下さい。(2012年8月8日)



 木村直人(日本モンキーセンター・獣医師)

この原稿は中日新聞愛知県広域近郷版に掲載された「愛ラブ自然」を元に
写真は違うカットを用い、テキストは加筆修正を加えています。


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