おさる獣医師の動物園歳時記<新ヒヒの城編>

いつもは裏方でサルの診療にあたっている「おさるの獣医師」が
緑豊かな動物園の自然と動物について
感じるままにシャッターをきり 書きとった「動物園歳時記」<新ヒヒの城編>です


 
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新ヒヒの城の天主(てっぺん)から園内を望む
アヌビスヒヒの親子<2003年4月撮影>
 
 
この春動物園では、「ヒヒの城」と「カニクイザルの山」の新築と
「モンキーバレイ」の改造を行い、
それぞれアヌビスヒヒ、カニクイザル、ヤクニホンザルが
新しい施設に引越ししました。

 新しいヒヒの城(写真)では、堀の底にガラス窓を設けて
間近で観覧できる様にしましたので、
公開当日からヒヒの大きさや迫力に
毎日歓声が上がっています。

従来通りヒヒと同じ目線で観察できるデッキも備えていますので、
濃尾平野を見渡す「城」の天主で、
ヒヒの眺める眺望と同じ景色をご覧いただくことができます。

 犬山祭が終わると動物園では最も緑が美しい季節となり、
これからサルの出産シーズンもピークを迎えます。

新居に引越したサルは三種ともオナガザル科に分類され、
生れたばかりの赤ちゃんの毛の色は
いずれも親より色濃く、黒っぽくみえます。
ぜひじっくりと捜してみて下さい。

この三施設に限ってサルに餌をあげることができます。
餌の受取り方や食べ方には微妙に違いがありますので、
比べてみるのもおもしろいかもしれません。

 ヒヒの城からは養老の山並みが見え、
夕方同じ方角に大きな太陽が沈んでいきます。
犬山で生れたヒヒ達ですが
視線のはるか彼方には故郷であるアフリカの夕景が
映っているのかもしれません。


この原稿は中日新聞愛知県広域近郷版に掲載された「愛ラブ自然」を元に
写真は違うカットを用い、テキストは加筆修正を加えています。


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