中新世類人猿の進化

 

中務 真人

 

京都大学・理学研究科

 

中新世(2350万〜500万年前)は、「ヒト上科」が放散し、狭鼻下目の主要グループとして栄えた時代である。これらの化石の量は比較的多いものの、時空的偏りが強く、類人猿と人類の進化を巡る多くの問題が未解決のまま残されている。例えば、化石種について、何をもってヒト上科と見なすか、現生のアジア類人猿系統がいつ、どのようにアフリカから拡散したか、現生アフリカ類人猿につながる化石ヒト上科はどれか、そしてどのような適応をしていたのか。こうした重要な問題について、意見が大きく対立しているか、あるいは有力な仮説すら存在しない。これらの問題について解説をし、人類の誕生との関連について議論する。

 

 


世話人:市川光雄・清水大輔・大橋岳(日本モンキーセンター)




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