哺乳類化石からみた中新世類人猿の古環境

 

仲谷 英夫

 

鹿児島大学・理工学研究科

 

東アフリカの後期中新世(900〜1000万年前)からは人類化石と現生大型類人猿をつなぐ共通祖先の化石が期待されており、ケニアのリフトバレーのサンブルヒルズとナカリ、エチオピアのチョロラから大型類人猿化石が発見されている。

このうちサンブルヒルズのナムルングレ層とナカリのナカリ層からは哺乳類をはじめとする多くの動物化石が産出しており、東アフリカにおける後期中新世の代表的な化石産地となっている。

両産地から産出する哺乳類動物相はよく類似しており、その年代もほぼ同じである。しかし、大型類人猿を含む霊長類化石はナムルングレ層からは1標本しか産出していないのに対して、ナカリ層からは大型類人猿が複数種産出しており、ほかの霊長類化石も多い。

これらの違いを、哺乳類動物相の構成とその量比や、化石臼歯の機能や同位体分析によって復元される哺乳類の食性から復元される古環境に基づいて明らかにしたい。

 

 


世話人:市川光雄・清水大輔・大橋岳(日本モンキーセンター)




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