おさる獣医師の動物園歳時記

いつもは裏方でサルの診療にあたっている「おさるの獣医師」が
緑豊かな動物園の自然と動物について
感じるままにシャッターをきり 書きとった「動物園歳時記」です。


 
 
 本格的な春到来が待ち遠しい今日この頃です。この冬は特に1月の寒さが厳しく連日雪遊びをするサルの姿が見られました。一方で貴重な晴れ間にはのんびりと日向ぼっこをするサルもいました。

         

 ほとんどのサルは獣医師である「私」(治療のためとはいえ時に痛い思いもさせますから・・・)に過剰に反応してなかなか思うような撮影をさせてくれませんが、このジェフロイクモザルの「レンゲ」は、ご覧の様な無防備でリラックスした姿を撮らせてくれました。獣医師の存在よりもお日様の恵みの方が勝ったのでしょうね。 
 
 また、春はサルたちにとって出産シーズンでもあります。当園では出産の半数以上が春に集中します。繁殖シーズンがあるサルは当然ですが、周年性で出産するサルたちも四季のある日本では春に産む合理性があるのでしょう。今年も希少種のサルたちの妊娠が確認されています。赤ちゃん誕生のニュースもこの欄でお知らせできると思います。いよいよ今週末19日より動物園の春イベントが始まります。深海動物などと出会える特別展「極限に生きる」や「わくわく動物村」改めKIDSZOO(キッズズー)もオープンします。春のよき日はご家族で動物園にお出かけください。(2011.03.08)


                 木村直人(日本モンキーセンター・獣医師)


この原稿は中日新聞愛知県広域近郷版に掲載された「愛ラブ自然」を元に
写真は違うカットを用い、テキストは加筆修正を加えています。


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