おさる獣医師の動物園歳時記
いつもは裏方でサルの診療にあたっている「おさるの獣医師」が
緑豊かな動物園の自然と動物について
感じるままにシャッターをきり 書きとった「動物園歳時記」です。
![]() 申年の日本モンキーセンターは、「夜猿神社 七福猿と三賢人巡り」と恒例となった冬の風物詩「たき火にあたるサル」でスタートしました。七福猿と三賢人巡りは、サル類の中で最も夫婦仲がよいとされるヨザルをはじめ、それぞれに御利益がありそうなサル七種(七福猿)と、類人猿三種(三賢人)を巡るイベントです。 三賢人には、フクロテナガザル(絶対落ちない)、ゴリラ(家内安全)、チンパンジー(健康長寿・学業成就)の三種が、七福猿には、冒頭のヨザル(良縁成就・夫婦円満)のほか、マントヒヒ(子孫繁栄)、ゴールデンマンガベイ(金運)、ハヌマンラングール(必勝祈願)、トクモンキー(いっぱいお得)、ワオキツネザル(旅行安全)、そしてヤクニホンザル(厄去る)を取り上げています。それぞれにサルの特徴や習性、伝説や言い伝えなどがモチーフとなっており、楽しみながら巡ることで、十種のサル類について理解を深めていただくねらいがあります。 干支の申のイメージがやはり日本的なこともあって、「@たき火にあたる」サルでも有名になったヤクニホンザルのコーナーは毎日多くの人で賑わいました。たき火から取り出されたばかりの熱々のお芋を水辺に運び冷やして食べる「Aイモ洗い」、フェンス際に落ちた餌を木の枝を使って寄せ採る「B道具使用」、小石を打ち当てて遊ぶ「C石打行動」も観察できて、来園者の滞在時間が一番長いエリアとなりました。 両イベント共に二月末まで開催しておりますが、実施日は異なります。休園日情報とあわせて公式ホームページでご確認ください。 六十周年を迎える日本モンキーセンターを今年もどうぞよろしくお願いいたします。(2016.01.20) |
この原稿は中日新聞愛知県広域近郷版に掲載された「愛ラブ自然」を元に
写真は違うカットを用い、テキストは加筆修正を加えています。
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