【YakTok】タイマツとウィンキーについてのご報告

モンキーバレイ担当:舟橋

 Twitterにてお知らせさせていただきましたが、2021年の11月15日にヤクシマザルのウィンキーが亡くなりました。沢山のコメントありがとうございました。

ウィンキーは、2003年4月30日生まれの18歳で、群では2019年の11月5日から、第二位のオス(群で2番目に強いオス)として群をまとめてくれていました。

 2021年の11月15日にモンキーバレイで何が起きたかを簡単に説明させていただきますと、アルファオスの交代が起こりました。実際の交代劇は舟橋の出勤前に起こっていたため、あくまでも想像しかできないのですが、ケガをしている個体を見た感じでは『タイマツとウィンキーとウとタの家系』と『ピット、ヒマカ、ノギハラ、ノックを中心としたヒとノの家系』が争ったようです。

 そのうち何頭かのタの家系のオスが、ほとんどヒとノ側に寝返り、舟橋が出勤した時には『タイマツを守るウィンキーとタの家系のメス』と『その他の個体』という状況になっておりました。

 到着した時点でタイマツもウィンキーも外傷が酷く、獣医にお願いしてすぐに入院させ、痛み止めを打っていただきました。個体の性格もあるようで、タイマツは闘いを避けていたようで肩から腕にかけてと大腿部に逃げ傷(それでも重症ですが)しかありませんでしたが、ウィンキーは第二位のオスとしてしっかり闘っていたようでした。その後、14時ごろ多発性外傷でウィンキーは亡くなりました。

 それまでは、タイマツ、ピヨン、アルバ、ウィンキーの順(俗に言う四天王)で完全に順位が定まっており、加えて双方とも同じようなビジュアルだったため、アルバの影でうすーく生活していた(職員ですら存在を知らない人すらいた)ウィンキーでしたが、順位の入れ替わったのと同時期くらいに『公式裏チャンネル』が開始したこともあり、徐々に話題にしていただく機会も多くなりました。ありがとうございました。

 特にピヨンとアルバが飼育員嫌いで、ピヨンが怒ればアルバが怒るし、アルバが怒るとウィンキーが怒るという恐怖の連鎖があったことを覚えています。

ウィンキー自体は、ご存知の通り飼育員を見ると尻を向けちゃうくらいで、飼育員嫌いでは無かったんですが、彼は上下関係に忠実だったので、『ピヨンとアルバに続け!』という感じで暴れていました。

この上下関係は、アルバが喧嘩に負けて順位を落として他の個体から攻撃されていても態度は変わらず、まるで『アルバが第2位のオスのまま』なのかのように接していました。

見たわけでは無いので真相は不明ですが、もしかしたら最後までタイマツを守ろうとしていたのかもしれないとも思っています。

ちなみに、『モンキーバレイの四天王』で言うと実はアルバとピヨンの方が有名で、ウィンキーはアルバによく似た目の優しいヤツくらいの認識で職員ですら存在を知らない人すらいた個体でした。

当時は、「あのアルバによく似た個体は誰ですか?」と常連さんに聞かれたことも多かったです。

 最初は「アルバはカメラなんて向けたら10m先から全力猛スピードで襲い掛かってくるけど、ウィンキーは尻向けてくるくらいで襲い掛かってこないから撮りやすい」くらいの認識で撮っていましたが、塵も積もれば山となるで徐々に認知されはじめ、アクリルキーホルダーとかLINEスタンプにもなり(LINEスタンプは実はウィンキーです)、すっかりモンキーバレイの顔となり、モンキーセンターを盛り上げる個体の内の1個体となっておりました。

 モンキーバレイの周囲は野生のニホンザルやらイノシシやらイタチが出るので、献花台の設置は悩んでいたのですが、想像以上に花や果物の贈り物をいただいたので、少し離れた室内の休憩所に設置させていただきました。ありがとうございました。

いつでも撮れると思っていたから、最近のウィンキーの写真がありませんでした。

それがとても悔しいです。

 本当は、アルファオスが完全に交代して群が落ち着いてからご報告させていただこうかと思っておりましたが、アルファオスの交代自体が初めての経験すぎて見極めが難しく、ご報告が遅れてしまいました。申し訳ございません。

ちなみにまだアルファオスは決まっていないです。この現状を見て、タイマツもウィンキーもよくまとめていたなと感心しますし、寂しい気持ちもあります。

いままでモンキーバレイをまとめ、モンキーセンターを盛り上げてくれてありがとうございました。

 なお、タイマツも危険な状態でしたが、ケガの翌日にはなんとか座れるようになり、今では折れた左足の包帯も取れたようです。

舟橋も1日に1回はお見舞いに行くようにしておりますが、舟橋が行くと、タイマツのテンションが変に上がって、折れた両足でジャンプしたりするのであまり行かないようにしています。

とりあえず彼は元気です。お見舞いの品は、舟橋以外の飼育員があげています。

沢山のお見舞いの品もまた、ありがとうございました。


※本記事は、『【猿分補給】日本モンキーセンターとつながるオンラインサロン』にて、11月28日に一般公開された記事を一部変更を加えて転載したものです。オンラインサロンでは、この他にもサロンメンバー向けの記事を投稿しております。

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