病気から見たサルたちとヒトの関係

 

後藤 俊二

 

麻布大学

 

今回のテーマは「美しい東南アジアの自然‐そこではぐくまれてきたものたち‐」というものですが、私に与えられたテーマは病気に関するもので、少々メインテーマにそぐわないような気がしますが、ヒトとサルたちの関係・接触という側面からは、避けて通れない課題でもあります。我が國や東南アジアの各國で、サルたちとヒトの社会活動の接近や軋轢に起因するトラブルが少なくありません。

さて、サル類・類人猿達には我々ヒトでも見られるような様々な疾患が発生します。糖尿病や精神障害など、人で見られる病気の殆どがサル類でも発生する、と言ってもよいでしょう。また、他の動物には見られないが、ヒトとサル類の生理・構造の共通性に起因するサル類とヒトにのみ共通する疾患や、飼育下の動物に発生し、野生個体では発生しないであろうと考えられる病気もあります。

ここでは幾つかのサル類の病気について紹介し、また、特に今後も大きな課題となるサル-ヒト共通感染症について概説したいと思います。

 

 


世話人:西田利貞・清水大輔・大橋岳(日本モンキーセンター)




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