アフリカの自然と近年の環境変化

 

水野 一晴

 

京都大学

 

近年アフリカではその多様な自然が地球温暖化等の気候変動の影響を受け、急速に変化している。アフリカにおいてキリマンジャロ、ケニア山、ルウェンゾリ山の3つの高山のみが氷河を有するが、その氷河が10-20年後には消滅すると推定されている。これらの高山では氷河の縮小や温暖化とともに高山植生等の生態系が大きく変化している。また、アフリカには世界最古の砂漠といわれるナミブ砂漠があり、季節河川沿いにのみ森林があるが、その森林も近年大量枯死という現象が見られる。砂漠という厳しい環境の中、その森林沿いにのみ人々が暮らし、多様な動物が生息しているが、その森林の動態は住民生活や動物の生態環境に大きく影響を及ぼす。本講演では、近年の温暖化とケニア山、キリマンジャロの氷河変動および植生動態について、またナミブ砂漠の森林変化と住民生活や動物生態との関係について紹介する。

 

 


世話人:市川光雄・清水大輔・大橋岳(日本モンキーセンター)




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