アフリカセンター担当: 廣澤
デコさんへ
今年32歳を迎えるデコさん。

記録上そうなっていますが、本当はあと3歳若いんじゃないかという噂のあるデコちゃん。
デコちゃんの出生時を語り継いでくれる飼育員はもういませんが、それにしたってアラサーマンドリル。
モンキーセンターでこれまでに飼育されてきたマンドリルの中でも、ダントツでご長寿です。
足腰が弱くなってきて、ここ2年ほどは高い場所にピョンとあがるのを見なくなりました。
反対に、冬は床暖の上で寝ている姿ばかりを目にします。

微動だにせず寝ているデコちゃんは、毎日飼育員をびびらせてくれます。
それでも、ごはんの時などは矍鑠としたようすを目にします。その眼光の鋭さで、周りを威圧し食べものをキープしたりします。その相手はサムとかが多い気がしますが。(サム相手だと、キンシャサもバックについてくれるからでしょうか。どんまい、サム)
また、群れの1番オスのキンシャサに抗議の声をあげられるのもデコちゃんくらいですね。さすがです!
以前は娘たちのピンチにはすぐ駆けつけて、オスを追い回すこともよく目にしました。(実際はデコの後ろ盾を得た娘たちが追い回し、デコ自身は後ろの方でガァガァ文句言ってるだけなことが多かったけど)。
そんな裏ボス的なデコちゃんを、最近はあんまり見ないですね。
これまでに16個体の子どもを産んだデコちゃん。
はじめて育てた子どもが、あのガボン(今年22歳)です。ほぼ毎年のように子どもを産んだビックママ。彼女の子どもや孫たちは、モンキーセンターだけじゃなく、各地の動物園で出会えます。
さて、デコちゃんのトレードマークといえば、大きくぶら下がった頬袋。

ふつうなら食べものを一時的に入れておくためにある頬袋。
デコちゃんは、その大事な袋に、石を貯め込む変わった癖をおもちです。片方の頬袋はいつも石で満たされています。なぜ。。。
彼女が首をブルブルッと振ると、中の石がジャラっと音をたてます、、、。困った癖です。
おばあちゃんになって、食べるのも他の個体より遅くなってきたデコちゃんなのに、食べものを入れておく大事な頬袋が1つ使えないなんて、余計に食べ遅れてしまいますよ。
ということで、困ったばあちゃんには、特別にごはんを与えたりしています。それでも、「今はソレいらない、ソッチよこしな」みたいなワガママもしょっちゅうです。笑。
たくさん食べて、元気でいてね!
年々、老いを感じさせるようになってきたデコちゃん。
でも、その存在は群れの支柱だと思うので、これからも要所要所で威厳を発揮しつづけてください。頼りにしてます。