【BY通信】エンリッチメント大賞2022授賞式に参加してきます!

こんにちは、藤森です!
市民ZOOネットワークというNPO団体が開催している「エンリッチメント大賞」をご存知でしょうか?
その年に応募された動物園水族館の環境エンリッチメントの取り組みについて評価し、特に優れた取り組みには賞が贈られます。
くわしくは、こちらのサイトをご覧ください♪
(市民ZOOネットワークサイト)

http://www.zoo-net.org/enrichment/award.html

そして実は今年、クラウドファンディングを含めた「バックヤード改善計画」の取り組みを応募しました!


取り組みの詳細はこちらをご覧ください
クラファン「バックヤード改善計画」のページ

https://sites.google.com/view/jmc-cf/Backyard

バックヤード紹介のページ

https://sites.google.com/view/jmc-backyard/About

今年は当園を含めて32件の応募があり、11件が一次審査を通過、そこから大賞1件、努力賞1件、正田賞(という特別賞)1件が選ばれたそうです。
残念ながら、これらの賞の受賞には至りませんでしたが、なんと一次審査は通過しましたよ!

後回しにされがちな非展示個体にスポットを当てていること、そしてクラウドファンディングを活用できており、市民のみなさんとの合意形成が得られている点を高く評価していただきました。一方で、今回のは「エンリッチメント」というよりも「緊急的な措置」に近いと評価され、受賞を逃しました。

現状からの脱却だけではなく、この取り組みを皮切りに、まだ良好とは言えない個体の環境の福祉改善を「科学的な評価」とともに進めるようアドバイスをいただきました。

なんか良さそう!ではなく、しっかりとデータを取り、科学的に効果があるのかを評価することがとても重要なんですね。

今回受賞した3件は、いずれもS.P.I.D.E.R.モデル(スパイダーモデル)を実現しているとされています。
S.P.I.D.E.R.モデルとは、
Setting Goals(目標設定)
Planning(計画)
Implementing(実行)
Documenting(記録)
Evaluating(評価)
Readjusting(見直し)
の頭文字を取ったもので、エンリッチメントを実行する上でのモデルとされています。(落合-大平 2009 「霊長類研究」参照)

目標を決めて計画し、実行した結果を記録、その評価をもとに見直し、新たな目標を設定する、ということを繰り返すことで、より良い環境エンリッチメントを実践できるというものです。

言われてみると、たしかにそうした点はまだまだでした…

みなさんにたくさんたくさん支えていただき、ここまで漕ぎつけた成果をさらに発展させるため、そして動物たちの環境が”本当に”よくなるよう、次は評価をもっと意識したいと思います。

長くなりましたが、最後に。
12/3にエンリッチメント大賞の授賞式があり、一次審査を通過した取り組みはポスター発表をさせてもらえることになりました!
まだまだと言え、みなさんの力をお借りして、外に出られるようになったり、病気や障がいを抱えつつもグループですごせるようになった個体がいるのは私たちにとっては、かけがえのない大きな成果です。
資金難に悩まれている園館さんや、非展示個体の福祉向上を目指す園館さんの手助けになれるよう、そして私も他の園館さんから勉強させてもらうため、いってきまーす!

こちら、授賞式の情報です。

http://www.zoo-net.org/study/research/archive/20221203_detail.html

参加申し込みも参加費もいりませんし、ブース出展などもあっておもしろいですので、ご都合つく方はぜひ参加してみてください♪

➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖

オンライサロン【猿分補給】では、モンキーセンターの飼育員たちから、毎日いろいろな記事をメンバーの皆さまにお届けしています。

気になった方はぜひ覗いてみてください。

https://community.camp-fire.jp/projects/373624/preview?token=3pppyarn

One thought on “【BY通信】エンリッチメント大賞2022授賞式に参加してきます!

  1. shinobu

    バックヤードという名前の通り表ではないイメージだった場所にも暮らしている個体たちが病気やケガやいろんな問題と闘っている姿やそうなってしまった理由を知ることで動物園での動物の観察の仕方が大きく変わった気がします。市民として学ぶことが多かったので応募されているのを知って嬉しかったです。出来れば次回は市民がそこから何を感じたり学んだりしたかも織り交ぜて頂けるとより拡がりのあるデータが残るのではないかと感じました。発表頑張ってきてください!

    Reply

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です