こんにちは。アフリカセンター担当の廣澤です。
7月14日は「世界チンパンジーの日」で、当日はチンパンジーの紹介ガイドをしました。

この日は、くもったり小雨だったりあいにくの天候でしたが、日曜日で日本モンキーセンターの一大イベント『甲子猿』があり、たくさんの方々にガイドを聞いていただくことができました。
この日のガイドでは、来週10歳の誕生日をむかえるマモルの成長などを中心にチンパンジーの話をしました。
今回の記事では、世界チンパンジーの日にちなみ、チンパンジーの保全や保護についてを少し紹介したいと思います!
(この記事はどなたでもご覧いただけます)
チンパンジーが生息しているのはアフリカの赤道付近にある熱帯雨林が多く、その周辺の川辺林やサバンナにも一部の個体群が確認されています。
チンパンジーのくらしには、豊かな森とそこに生育する多種多様な植物が大事です。
年間を通して200種以上の植物を採食するチンパンジーです。果実を多く食べますが、果実が少ない季節などは植物の葉や髄、種子の核の部分もよく食べます。
また、木の枝などの道具を用いてアリを釣って食べることや、小型のシカのなかまやコロブスなどの動物を捕まえて肉を食べることも知られています。
さらに、チンパンジーは夜寝るときには木の上でベッドを作ります。枝を折りたたみ編み込んでお椀状のベッドのなかで横になります。アフリカの赤道付近というと灼熱の台地をイメージすることもありますが、昼間の森のなかは25度前後です。夜はそれよりぐっと気温が下がることもあるので、お椀状のベッドは体温を維持するのにも重要そうです。
このようなベッドをチンパンジーそれぞれが毎晩作ります。次の日は、また新しく作ります。使ったベッドの枝葉はいずれ朽ちていきます。
いかがでしょうか?
チンパンジーのくらしにはたくさんの植物が必要だということが分かりますよね。
さて、そんなチンパンジーになくてはならない豊かな森が減少していっています。
森林の減少には、私たち人間の活動が大きくかかわっています。
木材や貴重な鉱物をとるために山や森が削られています。
そうして得られた資源の多くは海外へ輸出され、私たちも利用しています。
資源の量には限りがあります。リデュース、リユース、リサイクル。
ものを大切に。ゴミは分別して活用する。
地球の生態系に配慮して生産された商品を積極的に選ぶ。
日々の生活で自分にできること、今以上にもう少し頑張っていきたいと思います。
そして、もうひとつ。
資源のために森が切り開かれると、それを運搬するための大きな道路ができます。そうすると、密猟者が簡単に森に入り、チンパンジーをはじめとする野生動物を捕まえやすくなってしまいます。
チンパンジーのおとなは肉として、あかちゃんはペットとして闇市で売られてしまうことも。
これにはペットにしたいと考える人々の需要があるからです。
ペットにしたいと思ってしまうのは、そうした野生動物を飼うことが一部の人たちにとってステータスになってしまっていることも一因です。
一昔前の話ではなく、今なお密猟はおこなわれています。
チンパンジーの場合、闇市などで警察や保護団体がみつけたチンパンジーのこどもを保護飼育している施設(サンクチュアリ)がアフリカにはたくさんあります。
保護したこどもを、森に返すことは難しいからです。親のいない、群れをなくしたこどもはひとりで生きていけませんし、どこの地域から捕まえられたか不明で返すべき森がわからないのです。
そうしたサンクチュアリを調べてみると、毎年数頭新しいこどもチンパンジーを保護していることがわかります。
ぜひ、chimpanzee sanctuary などで調べてみてください!支援を募っているサイトも多いです。
今の時代は海外のサイトでも簡単に翻訳してくれるスマートフォンがあり、便利ですよね。
便利なものを手放すことはなかなか難しいです。
便利なものを活用させていただきながら、チンパンジーの現状をふかく知り、かれらの保全や保護に関わっていきたいと思います。
ちょっと難しい話題でしたが、さいごまでお読みいただいた皆様ありがとうございました!
※オンライサロン【猿分補給】では、モンキーセンターのスタッフたちから、毎日いろいろな記事をメンバーの皆さまにお届けしています。
気になった方はぜひ覗いてみてください。
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