【屋久島研修ツアーに初参加!2日目後半〜4日目】

記事担当 : 川原(ヒヒの城)

大川の滝でお昼休憩を済ませ、さらに屋久島を南下。

道路沿いでカラスザンショウ(ミカン科)を擦るヤクシマザルを発見。ここで文化的な行動を取るヤクシマザルを一部観察することができました。

↑こちらはメス(写真右)とオス(写真左)が一緒になってくっついています。現在ヤクシマザルたちは繁殖期の真っ只中でお互いパートナーを見つけた様子でした。このあとオスが木の上に登り、メスが後を追っていきました。

そしてその後の観察では、

朝に観察していた同一個体を発見!同じ群れと7時間半後に再会しました。なんだかとても嬉しかったです。

『3日目』

この日は、いつも観察へ向かう西部林道とは反対方向へ進み、自然保護公園の「ヤクスギランド」へ。屋久島の植生を観察しに行きました。写真に映る白く大きな木は紀元杉です。樹齢はなんと約3000年!

中へ入ると圧巻のスケールを誇るいくつもの巨大な屋久杉がありました。

↑こちらは「くぐり栂(つが)」。巨大な根が門のように空洞になっています。昔、歩道を造る際に土を深く掘って通したものだと考えられています。

倒れた木から新しい若木が育っていました。「倒木更新」という森林での自然現象です。

そして遊歩道には普段馴染みのあるものが!ここでは足を滑らせて転倒しないように消防ホースが敷かれていました。何にでも役立つ、色々な使用方法がある、消防ホース様様ですね(笑)。

吊り橋からは綺麗な川を眺められます。大きな岩石も印象的でした。

最後に巨大な仏陀杉とツーショット。この日はおよそ4時間以上かけてヤクスギランドを歩きました。結構クタクタになり夜は爆睡です(笑)。

「最終日・4日目」

そしていよいよ最終日。屋久島とお別れの時間が迫ってきました。最後にもう一度ヤクシマザルを観察したいと思い、西部林道へ。

↑鼻に小さな傷のある個体

↑下唇をケガしている個体など。

指も曲がっていました。なかなか特徴ある個体がいましたが一体どこの群れなのかは分からず。最終日にヤクシマザルを見納め、宿所の整理・掃除を済ませて空港へと向かいました。

屋久島での最後の食事。カンパチ丼を堪能しました。

今回初めての生息地研修でしたが、本当に素晴らしい経験をさせていただきました。

日本モンキーセンターにも「モンキーバレイ」にてヤクシマザルを飼育しています。

改めて野生下のヤクシマザルと飼育下のヤクシマザルの違いを自分の眼で観察することができました。

なにより今の飼育環境に、この野生下での環境から何かを得ることができないかなと考えました。完全に野生と同じような環境を飼育下に提供するのは不可能かもしれませんが、少しでも野生に近い環境が備われば、より動物園としてのレベルアップに繋がることができると思います!

機会があれば、私の主担当であるアヌビスヒヒの生息地・アフリカ大陸でのタンザニア研修にもぜひ行ってみたいです!