この時期になるとよく聞く言葉が「卒業」
私も多くの人と同じように卒業式に出席したことがあるのだが、私は何を考えていたかというと「♪行儀よくまじめなんて 出来やしなかった♪」
なぜって?
花粉症で鼻水はでるし、目がかゆいからだ。予行練習で注意されても鼻水がたれるのもどうかとおもうんだよね。
そんな私は夜の校舎窓ガラス壊してまわることもなければ、盗んだバイクで走り出すこともない。飼育員なのだ。
どうでもいいことはさて置いて大人の階段を一段上がった皆さんおめでとうございます!
南米館担当の高田です。
オトナになるとはどういうことかこれは意外と難しい。性成熟でオトナとみなすか自身の群れを持つことでオトナとみるのか。ヒトでも何歳から突然オトナになるということではないのだから異種である動物の判断はもっと難しい。
今回は立派なオトナになる前の性成熟の年齢について書いてみよう。
まずはマーモセット

家族単位の群れを作る。一度の出産で複数との子を産む
体重は数百gにしかならない小型の霊長類だ。1年~1年半ほどで性成熟に達し2年ほどで出産できる。昆虫や樹皮、樹液などを好む。カルシウムの多い樹の樹液をより好むのではないかという説もある。
次にオマキザル


フサオマキザルは多くの動物園で見ることができる。
4年ほどで性成熟を迎えるが出産年齢はさらに数年後になることが多い。堅実などは石を使って割ったりすることが分かっている。体重の1/3程度の重さの石ならば持ち上げて堅実に打ち付けることができる。結構マッチョなので胸を張った時など筋肉が目立つ。果物の他に昆虫や小動物も食べる。たまに虫やカナヘビを食べているところを見ることが動物園でもある。オマキザルと名前の付く種は20数種存在しているが、JMC和名リストではオマキザル属(Cebus)は16種、フサオマキザル属(Sapajus)は7種いる。
続いてクモザルは5年ほどで性成熟に達する。妊娠期間は230日ほどである。授乳期間は2年ほどあり、出産間隔3~4年ある。繁殖のスピードが比較的ゆっくりであるため、一度個体数が減少してしまうと回復までに時間がかかる。果物や葉、花、昆虫も食べたりする。生息地域のよって鳴き声の方言のようなものがあるらしい。またあまり咀嚼をせずに食べる。
これを読んでいる皆様は鶴や亀のように千年も万年も長生きしたければツルツル飲まずによくカメカメすることをおすすめする。

クモザルの仲間は指の数が4本しかないのが特徴の一つ。
あまり咀嚼をしないでたべる。
もっとサルたちのオトナになる過程を書こうとするとより複雑かつ長く書かなければならない。また生息地や個体群によっても違いがあるのでより難しさがある。それがおもしろさでもある。
令和の申し子たちは「行儀よくまじめなんてクソくらえ」と思っても夜の校舎窓ガラス壊してまわってはいけないぞ。もちろん盗んだバイクで走り出すのもだめだ。
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気になった方はぜひ覗いてみてください。
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