今回は4月12日に食欲不振のため入院することとなった
ミュラーテナガザルのクリケットについてのお話をご紹介します。
※どなたでもご覧いただけます。
テナガザル担当の奥村です。
クリケットは1982年8月に来園したミュラーテナガザルのメスです。

来園の記録しか残っておらず、正確な年齢はわからないのですが高齢な個体です。
2016年から、シロテテナガザルのオスのジャス(当時6歳)

と一緒にくらしてきました。

同居当初(2016年)の様子
小柄で年上のクリケットと、体は大きくても幼いジャス
同居前は、理由あってそれぞれ単独で生活をしておりましたが
一緒にくらせるようになり、種は違っても今でもとても仲の良いペアです。

最近(2025年)の様子
4月12日
乾燥した時期には右脇が荒れがちなジャス

の肌をケアするために日中トレーニングをしているのですが、
いつも隣に来るはずのクリケットが降りて来ず。
2頭並んで取り組むことの多いボトルフィーダーの給餌にも参加せず。
他の好物を見せてもあまり興味を示さなかったため
大事をとって病院へ連れていくことにしました。
当日の排便、排尿は通常どおり確認できていた(もともと少食ではあるものの前日まではもりもり食べていた)のですが、若干だるいような動きとやや息が荒い様子でした。
注射や皮下に輸液をしてもらい治療をしてもらったのですが、翌日もほとんど食べ物を口にせず。
食欲不振が続いたため、4月14日に皮下ではなく、静脈への輸液による治療を目的とした
麻酔下での検査をしてもらいました。
検査の結果、先天性脊柱側弯以外の異常は認められず、側弯症の加齢による疼痛悪化を考慮し
鎮痛剤を併用することになりました。
検査の翌日は若干活力が上がり、表情も明るくなった様子でしたが、バナナをひとかけら口にする程度でした。

検査翌日の様子
4月16日
なんでも良いからとにかく食べてもらいたいと思い、色んなものを用意してクリケットのもとへ。
朝、スプーンにバナナスムージをのせて口元に持っていったら勢いよく舐めてくれました。
日中も食欲は比較的あがった様子で、少しほっとしました。
ギボンハウス(ジャスとくらしていたエリア)の馴染みの植栽を剪定し病室に設置したところ

興味は示してくれたようでした。

クリケットがグルーミングに誘ってくれたので応じると、
満足げな表情をみせてくれるのですが、
やはりだるさは残っているような感じがありました。
昨日は再び、食欲不振。
グルーミングに誘ってはくれるのですが、している間にすぅーっと目を閉じることもあり
「クリケット!」と呼びかけて「はっ」としたり、傾眠傾向な様子にもみえました。
そして、本日
クリケットのもとへ行くとすぐさまグルーミングのお誘いがありました。
今日はうとうと、といった様子もなく、背中の次は腰!
次は頭!、それから脇!腕!お腹!アゴ!そんでまた背中!
といった感じで次々に希望のスポットをグルーミングしやすいように
体位変換してくれて、クリケットの要求に応じてし続けました。
ただ尿検査の結果、やはり体調は戻ってきていない様子だったため
2度目の麻酔下での治療(静脈への輸液)をしていただくことになりました。
今回もなんとか麻酔から覚めてくれましたが、前回よりはゆっくりでした。

覚醒後のクリケットの様子
なんとか元気を取り戻してくれて、食欲も復活し、
ギボンハウスのジャスのもとへ帰ることができるよう

願っています。
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※オンライサロン『猿分補給』では、モンキーセンターのスタッフたちから、
日々いろいろな記事をメンバーの皆さまにお届けしています。
気になった方はぜひ覗いてみてください。
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年齢もあるのでお大事になさってください。
ありがとうございます。
今日はご寄附でいただいたブルーベリーを3粒
朝イチで勢い良く食べてくれました。(奥村)