【BY通信】7月のさるしり!inバックヤード

こんにちは! 暑い日が続き、入院個体のごはんが冷やし中華の具材に見えて仕方がない、獣医師の小谷です。

みなさま、園内でさるしり!をご覧になったことはあるでしょうか?

さるしり!は、飼育員のみなさんが担当動物や施設についての豆知識を紹介する掲示物ですが、毎月違うテーマで作成されています。
もうご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、今月のテーマは「野生で一緒にくらす他の動物」です。

飼育員のみなさんが作った完成品を見て、すごいなーと思っているだけだった担当動物のいない私ですが、今月なんと、バックヤードのWeb版さるしり!を任されました!
今回はバックヤードでたくさん飼育しているカニクイザルについてご紹介します♪

野生のカニクイザルは東南アジアの広い範囲に生息しています。

こちらはマレーシア、サバ州のキナバタンガン川で観察されたカニクイザルです。
バックヤードにいるカニクイザルとなにか違う…。

カニクイザルは生息している地域によって、かなり見た目が違うようです。

さて、そんなカニクイザルの近くには、

ブタオザルや

テングザル、

オランウータン、

シルバールトン

などが棲んでおり、カニクイザルとのかかわりが報告されています。

ラッフルズリーフモンキーというサルとはグルーミングしている様子も観察されています。

近くに棲んでいても、食べ物や活動する時間のピーク、好む生息地が異なっていることで、競争を減らし、さまざまな種が共存することができています。

また、都市部にも生息するカニクイザルはヒトの生活にも深くかかわっています。

カニクイザルは人工物を利用したり、寺院でヒトから食べ物をもらって生活していたり、
現地のヒトはそれを観光資源として利用することもあります。

一方で、サルの肥満やヒトへの危害、人獣共通感染症(ヒトも動物も罹ってしまう病気)の伝播など、問題を抱えているのも事実です。

動物園でカニクイザルを見かけたら、野生のサルとのかかわりについて思いを馳せみてはいかがでしょうか!

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※オンライサロン『猿分補給』では、モンキーセンターのスタッフたちから、日々いろいろな記事をメンバーの皆さまにお届けしています。気になった方はぜひ覗いてみてください。https://community.camp-fire.jp/projects/373624/preview?token=3pppyarn