【玉浪漫紀行】アビシニアコロブスのラテ、再同居の試み。

今回は原野と森の家でくらすアビシニアコロブスのラテについてのお話をご紹介します。

こんにちは、原野と森の家担当の奥村です。

このエリアには8頭のアビシニアコロブスがくらしています。

4児の父親となったピンとアフリカ館から引っ越してきた時は2頭だけだったイロハとレナ。

当初を思えばずいぶんと賑やかになったアビシニアファミリー。

こちらの7頭は常に一緒にくらしており、展示エリアも利用しています。

 

 

 

 

 

そして、ラテ。

ラテは昨年の4月にモンキーセンターに帰ってきてから、

原森メンバーと合流を果たしたのですが、

それから半年経った10月末に活力が低下し食欲もなくなり、

痩せてしまっていたため入院。

麻酔下での検査がおこなわれました。

 

 

エコー検査やレントゲン、血液検査の結果、

慢性経過の低タンパク血症による腹水貯留が原因として考えられましたが、

炎症値も高く、腸重積などの可能性もあったため、

当時の担当者と獣医師との相談の結果、試験開腹をおこなうことになりました。

 

 

開腹手術の結果、やはり腹水貯留が確認され、

食欲がなくなり、活力も低下した原因として、

腹水漏出をともなう低タンパク血症、または原因不明の腹膜炎であったことがわかりました。

 

病院で治療を続け、11月には開腹した腹部の抜糸を麻酔下でおこなってもらったのですが、

その麻酔の処置中に自発呼吸が停止してしまいました。

覚醒するまで人工呼吸をして、なんとか戻ってくることができ、処置をのりきってくれました。

 

その後無事退院となったのですが、

原野と森の家に戻った矢先、今度はケガを負ってしまい再び入院となり、

麻酔下で治療をしてもらうこととなりました。

 

この頃奥村はバックヤードを担当していたこともあり、

入院生活のサポートをしていたため、都度病院ですごす、ラテの様子をよく覚えています。

 

ラテのケガは頬に、骨にまで達する深いものがあり、腕にも4ヶ所受傷していました。

アビシニアコロブスで入院する個体は、モンキーセンターでは食欲不振や活力低下、

痩せなどといった場合が多く、カルテを調べてみてもケガで入院した個体はほとんどみつかりません。

 

ラテのケガの治療がなんとか終わり退院したのがその年の12月。

年が明けて2025年1月の中旬から、色々な組み合わせでラテと他個体との同居が再開されていました。

同居の試みが続けられたのですが、2月上旬に再びラテの食欲がなくなったため、同居を中止。

翌日には横臥傾向や嘔吐の痕がありました。

 

そこから一時は食欲の回復がみられることもあったのですが、嘔吐や下痢が不定期にみられ、

食欲不振が回復しなかったため、3月になってから入院することになりました。

麻酔下での検査もおこわれました。

 

検査の結果、昨年10月末に入院した際と同様に、低タンパク血症や腹水貯留、貧血が確認されました。

 

3月末にはなんとか退院できたものの、それ以降も嘔吐や下痢などが不定期でみられ、

投薬による治療を継続していました。

ラテは体調が良くなってきたと思えば、食欲不振や嘔吐をするといった状況を繰り返していたようで、

なかなか同居を再開するタイミングがつかめなかったようです。

 

7月からはラテの毎日の給餌量の配分の見直しや、投薬と給餌のタイミングを調整し、

徐々に嘔吐の頻度が減っていきました。

 

死ぬほど暑い夏でしたが、2ヶ月ほど大きな体調のくずれもなく、

ラテは体調面では比較的安定してくらせるようになってきました。

 

とはいえ長い間、単独でのくらしが続いてしまっていました。

 

その間、イダテンやレモネが生まれ、新たな仲間が加わったアビシニアファミリー。

 

ラテはそんな群れの様子をみつめていました。

 

 

同居を再開したく、獣医師とも相談をしたのですが、

現在比較的安定したくらしができているものの、実際はギリギリの状態かもしれない。

年齢的にも同居のチャレンジはラストチャンスになるのでは、と。

 

同居はラテの採食に影響が出ない時間帯を選び、短時間で。

 

 

同居を再開する決断をしました。

 

 

10月7日

まずはイロハ親子と。

ラテが、がっつりとイロハに覆いかぶさり、

 

その後互いにグルーミングをする様子もみられました。

 

 

 

同居の様子見守り隊(左からレスカ、ピン、レナ親子)

 

 

屋外では

(手前からイロハ親子、イエモン、右上ラテ)

イロハが室内に戻るときに、ラテの尾の先にイエモンがぶらさがる様子もみられました。

 

 

日を改め、次はレナ親子と。

(左:ラテ、右レナ親子)

 

イロハよりはあっさりな関係性にもみえましたが、互いにグルーミングもみられました。

ラテとレナの同居を終盤から(同居開始時は他個体からの干渉を避けるため別室にいてもらっていた)見ていた

イロハは少しそわそわしているような印象もありました。

 

 

また日を改め、最後にピンと。

イロハ&ラテとは全く違い、ラテからの交渉はあまりみられませんでした。

ピンはラテに配慮しつつアプローチするといった感じでした。

 

ラテの肩にそっと腕を回すピン

 

 

どの組み合わせでも互いに攻撃的になるような様子はみられなかったため、

またまた日を改め、『8頭一緒』を一度試してみることにしました。

 

イロハ親子にレナ親子が加わり、最後にピン合流。

部屋を内外全て使って様子を見守ります。

 

8頭が一緒になった後はラテとイロハでグルーミングなどの交渉がみられたのですが、

そこにレナがやってくると、ラテが距離をとるという行動がみられました。

 

イロハ&レナから攻撃を受けたという経験がラテにはあるため、緊張感が高まる様子でした。

 

ラテの距離を取る行動が続いた直後、イロハとレナに追われて組み合い、揉めてしまいました。

ケガのリスクも考えられたため、いったん同居を終了。

 

イロハは追いたりないといった様子でしばらく扉の前に座っていました。

 

ラテは気落ちした様子でじっとしており、ケガはなかったもののショックをうけているようでした。

ピンはそういったメスのやり取りにはかかわらず、子どもたちも無事でした。

 

 

本来であればこういった揉め事の際はケンカ別れで終わるようなことはせず、

交渉を確認したうえで、分離したいところではあったのですが、

この日はラテやイロハが落ち着くのを待ちました。

 

翌日、ラテは昨日の同居を引きずる様子もみられず、元気にもりもりに食べていたため、

イロハと再び同居をすることに。

 

ラテからのプレゼンティング(お尻を向ける挨拶行動)が確認され、

そばでイロハも採食をしていたため、一緒になってもらいました。

 

 

ラテ→イロハへのグルーミング

 

 

 

イロハ→ラテへのグルーミング

 

 

互いにグルーミングする様子も確認され、

昨日のわだかまりの様なものは溶けていったようにもみえました。

 

今後もラテの体調次第ではありますが、

負担がかからないような取り組みを引き続き模索しつつ、

同居を進めていければと思っています。

 

同居の際に展示エリアにアビシニアコロブスが誰もいない!?

というような状況になってしまうこともあるかもしれません(昼過ぎあたり)が、

あたたかく見守っていただければ幸いです。また、様子をご紹介します。

 

2 thoughts on “【玉浪漫紀行】アビシニアコロブスのラテ、再同居の試み。

  1. 美馬

    ラテやファミリーの詳しい様子をありがとうございます。先日来園し原野と森の家にも行きましたが奥村さんの言う通り誰もいない状態でした。かわいいこどもたちが見られず少し残念でしたが群れの安定が一番です。

    Reply
    • keeper Post author

      コメントいただきありがとうございます。
      ラテの体調に配慮しつつ同居を進めて良いければと思います。
      11時、14時前後に展示エリアで葉っぱーてぃーをすることが多いので
      その時間帯であれば比較的7頭揃ってご覧いただくことができるかもしれません。(奥村)

      Reply

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