中秋の名月のころ生まれて初めて、また犬山に来て初めて「お月見泥棒」という言葉を聞いた。中秋の名月に飾られているお供え物をこの日に限っては盗んでもいいというものらしく、愛知や三重などの一部地域で行われているお月見行事なのだそうだ。「泥棒」と言いながらも「お月見泥棒でーす」「お月見きださーい」などと声をかけて子どもたちが家々を回りお菓子をもらっていくのだとか。これらなら“ルパン●世”も苦労しないぜ。
そんな私は、“花より団子”で“月より団子”。そしてだんご三兄弟ド真ん中世代の飼育員。
あんこは「こしあん」より「つぶあん」派の南米館担当の高田です。
今回は素朴な?少年の疑問に応えよう
これまで子どもたちにサルたちが何を食べているのか、どのくらいの量を食べているのかを聞かれたことは数えきれないほどあるのだが、「いくらか」エサの金額を聞かれたのは初めてだったので驚いた。今のうちからエンゲル係数を気にするとはきっと細かな家計簿をつけるのだろう。将来はモンキーセンターの経理でもやってもらえないかな?。
そもそも南米館のサルたちにどんなものを与えているのか
ZAS(動物用ペレット)、SPS(動物用ペレット)、アラビアガム、サツマイモ、蒸し芋、ニンジン、リンゴ、バナナ、パイン芯、ゆで卵、コオロギ、葉野菜、その他(果物や野菜)を与えている。それぞれの値段は収穫時期や燃料費によって変わってくるため今の大雑把な価格でしか伝えることができないので容赦願いたい。
今回は1頭当たりの1日のエサの量とエサ代を発表したいと思う。しかし輸送費用は私の数学力では計算が難しい。また同じ品物でも買っている先が異なると価格が違ってくるため平均値を計算しやすくしたため実際はもう少し高い価格になる。ついでに光熱費も計算からは除いている。(ゆで卵1/4個の光熱費なんてどう計算するの?)
南米館一番の食いしん坊はクモザルたち一日1頭当たり約500g食べ140円くらいかかる

次いでオマキザルたち1頭当たり265gほど食べ78円、ヒゲサキ、シロガオサキ、ボリビアリスザルたちは121g54円。ヨザルは92g62円、タマリンは51g42円、マーモセットは46g40円という計算になった。

もちろんよく好むものとそうでないものがある


リスザル、サキはだいたい同じものをたべている
先に書いたように光熱費や輸送料金はこれには含まれていないし、計算しやすい額にしてから計算した(良い子は数学をさぼるなよ)ため実際にはもっと金額としては高くなる。与えているものも時期によって変わるし、枝葉なんかも与えるがそれはタダだ。当たり前のことながら耐えているものはほぼ同じなので、個体の大きさが大きくなると多く食べるため高くなる。
そしてコストが最も高いが最も低いのが飼育員の根性、心意気、哲学、知恵であるこれらはPricelessだ。
少年よ、疑問の答えになったかな?もしこの記事を見ていたらこっそり感想教えてね。
それでは虫の声の聴きながら読書に耽るとしよう。
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