今回は原野と森の家でくらすマンドリルのキンシャサについてのお話をご紹介します。
※どなたでもご覧いただけます。
こんにちは、原野と森の家担当の奥村です。

マンドリルのキンシャサというオスは、

リエルというメスと一緒にくらしています。
そんなキンシャサは重度の糖尿病を患っており、
これまでに治療や飼料の見直しをおこなってきました。
前回のお話はこちらから(限定記事です。)↓
治療に関しては、投薬内容を変更しておこなった検査結果も
糖の数値にそれほどの改善はみられませんでした。
投薬を継続することで肝臓の数値なども高くなってきているため、
いったん休薬して様子を見ることになりました。
が、休薬中の定期的な尿検査で糖の数値が、かなり上がってきたことがわかり、
週1回実施している体重測定でも体重減少がみられたため、現在投薬を再開しています。

休薬してしばらくは体重も増加傾向で、調子を維持している様子だったのですが、
飼料改善で増加したZASという固形飼料を、次第に食べなくなってきたあたりから、
体重も減り、尿糖の数値もあがってきたようです。
ZASを食べなくなるとカロリーや栄養補給のコントールがむずかしくなります。
キンシャサの食べ具合をみながら、毎週給餌メニューとにらっめこして、
都度変更を加えながら、調整を続けています。
普段の飼料には限りがあるため、ご寄附でいただく野菜が大活躍で、とってもありがたいです。

イモやカボチャ、ナスもたくさん頂きましたし、
ブロッコリーやエンドウ、オクラ、ピーマン、アスパラ。
こういった種類の野菜をたくさん与えることができると、
給餌の栄養バランスが更に良くなっていきそうです。

そして採血トレーニングなのですが、
今回の目的としては主に血糖値のモニタリングのためであり、
血液検査を定期的におこなうことで、詳細な体調の変化を確認することができます。
麻酔下(眠らせた状態)で採血するよりも、トレーニングなどをおこない、
無麻酔で採血できる方が、動物への負担も少ないです。
動物の健康管理のために、各動物園でマンドリル以外でも、
ニシゴリラやチンパンジーなどの霊長類や、キリンやホッキョクグマなどでも
こういった取り組みがおこなわれています。
そんなトレーニングをおこなう際にも、設備を整える必要があり、
とりあえずは、設備を整える前に可能なテストをしてみました。
採血は半月状の筒に腕を出してもらい、その姿勢を保った状態でおこなう想定のため、
まずは筒の中に腕を入れるということに抵抗がなさそうかの確認です。

大丈夫そうでした。
ということで、まずは『腕だし窓』の施工開始です。

フェンスを切り抜いて。

板をはめるとこんな感じ……
腕出し窓のフタに関しても、鉄製のものが良いのですが、専用のものなどなく。
素敵なフタが欲しいけど、あんまり売ってないから

好きなフタを作ることにしました。
5mmの鉄板を溶接してくっつけ、厚さ10mmのジャストサイズです。

錆止めなどの塗装をして、

完成です!
筒の方も試作段階ではありますが、

こんな感じで作成しています。
ほどなく、施設変更の許可(マンドリルも特定動物のため、軽微な施設の変更でも自治体への申請や届出が必要です。)がおりるので、本格的にトレーニングを始めていきたいです。
-------------------------
※オンライサロン『猿分補給』では、モンキーセンターのスタッフたちから、
日々いろいろな記事をメンバーの皆さまにお届けしています。
気になった方はぜひ覗いてみてください。
https://community.camp-fire.jp/projects/373624/preview?token=3pppyarn