秋の行楽シーズンは学校行事や幼稚園・保育園の行事もたくさんあることだろう。遠足や校外学習で訪れる児童、生徒、先生の皆さん日本に90園館以上の動物園がある中で日本モンキーセンターへご来園いただきありがとうございます。
珍しくまじめな挨拶から記事を綴り始めた私はかつて子どもだった飼育員、南米館担当の高田です。
南米館を担当すると思うことの一つがかなりの高確率でクモザルを別の種類の霊長類と間違われることに気づく。
いったい何に間違われるのか?
十中八九「テナガザル」と間違われる。これはまずい。そもそもテナガザルは小型類人猿に分類されるためより我々「ヒト」にちかいとされている。
ではクモザルはというと広鼻猿という中南米特有のグループに分類される。おそらく間違われる要因は長い腕であろう。確かに体に対して長い腕をしている。

特徴的な尻尾は体より長い
サル屋や園人(動物園関係者のこと動物園人の略)であればそうややこしさは感じないのだが子どもたちにはややこしいようだ“たい焼き焼き機でつくるたこ焼き”くらいややこしいそうだ。
というワケで今回はクモザルについて綴っていこうと思う。あまり詳しく書くと私のガイドのネタが無くなるので分かり易いところを厳選して書こうと思う。これを読めば動物園でクモザルをより愉しむことができる。
クモザルの最大の特徴は長い尻尾にある。この尻尾は優れもので尻尾だけでぶら下がることができるのはクモザルのなかま(クモザルのほかにウーリーモンキーやホエザルなど)だけである。テナガザルには尻尾はないぞ。(類人猿には尻尾がない。類人猿:ヒト、ゴリラ、ボノボ、チンパンジー、オランウータン、テナガザル)

そして手の指が4本である。まれに5本のこともあるが基本は4本の指である。レントゲンなどで手を撮影すると第一指(親指)の名残が分かる。
また社会構造も違う。やや分かりにくいがクモザルは父系社会である。オスが生まれ育った群れに残りメスが群れを移籍する構造である。テナガザルはペア型の社会をつくる。
そして、そもそもの生息地域が違うテナガザルは東南アジアを中心に生息しているがクモザルは中南米に生息している。地球をぐるりと半分回らなくてはならないくらいの距離が離れた地域にくらしている

ケナガクモザル交雑種のクモザルを見ることができます。
これらの他にもまだまだ違いはたくさんあるのだが、眠たくなるくらいダラダラと書かなくてはならなくなるし、探究者にあれこれいうのは無粋なのでこれくらいにしておこう。
動物園は子どもを大人にし、大人をより成熟させる場所になることを願いつつ温かいお風呂に入ろう。
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