こんにちは、アフリカセンター担当の廣澤です。
園内10カ所の飼育施設にある掲示板「さるしり!」では、毎月共通のテーマを決めてその施設のサルたちの豆知識や観察ポイントなどをご紹介する看板があります。
これまでのテーマは、「こんな動きに注目!」「こどものときの特徴」「歯」「食べかたの特徴」「世界の長寿記録」などなど。
そして、今月は「メンテナンス、大変ナンス」
いつもとは少し趣向が異なり、施設の整備のことをご紹介しています。
今回の記事では、「さるしり!」看板で紹介していないメンテナンスのおしごとのお話です。
この時期になると、毎年やること。
運動場の土壌改良です。
動物たちが利用する部屋は毎日糞や食べ残しを掃き掃除して、床を水で洗い流し汚れをデッキブラシで擦り落としています。外の運動場の土エリアは、毎日水掃除をすると沼になってしまうので、掃き掃除のみおこないます。
ですが、動物たちが生活する運動場なので尿が地面に染み込んでしまいます。
少量の尿であれば植物の生育を促す肥料となるかもしれませんが、これが毎日、しかもバーバリーマカク10個体分ともなると、土壌が酸性に偏ってしまうこともあります。
そこで、定期的にアルカリ性の消石灰をまくことで、土壌のphを中和する作業をおこなっています。
また、冬が始まるこの時期、寒さで体が冷えるなどして下痢をしてしまう動物も少なくありません。免疫が落ちると、細菌やウイルスに抵抗する力が弱くなり、体調を崩してしまうこともあります。土壌への消石灰散布は、細菌を消毒することも期待できます。
そういうわけで、消石灰散布をして土壌のメンテナンスをしています。

運動場の地面は、日々踏み固められてカチカチ。
まずは、剣スコップでザクザクと掘り起こしていきます。
掘り起こしていると、中からミミズがニョロニョロ。落ち葉やウッドチップも定期的に土にいれているので、以前に比べると土壌が柔らかくなりました。ミミズたちのおかげで水はけも良くなったと思います。

アフリカセンタースタッフは、掘り起こした土の塊をチョコレートと呼んでいます。

次にチョコレートに粉砂糖をかけるがごとく、消石灰を撒いていきます。美味しそうですよね。

最後に、チョコレートの塊をほぐしながら、消石灰と混ぜていきます。

これで、終了。

ふかふかの落ち葉も入れて、土壌メンテナンス完了です!
今年の冬も、落ち葉の中でお宝さがし☆
健康にすごせますように☆
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※オンライサロン『猿分補給』では、モンキーセンターのスタッフたちから、日々いろいろな記事をメンバーの皆さまにお届けしています。
気になった方はぜひ覗いてみてください。