挑戦

私はこの数か月、毎朝ある怪獣と戦っている。この怪獣と戦う日本国民は多いだろう。怪獣の正体は布団怪獣「フトンドン」だ!必殺技の「ぬくぬく波」は老若男女問わず人を襲う。「フトンドン」攻撃を掻い潜り布団から出るのだ。そして新たな怪獣がまさに今この時期、猛威を振るう。正体は花粉怪獣「スギノドン」だ!黄色い粉をまき散らし、人の目や鼻に強烈なダメージを与える。メディスン光線で応戦するが手強い。

そんな私は変身することがなければ、地球を守ることも無い飼育員。南米館担当の高田です。

3月になり新生活へ挑戦する人も多いでしょう。我々も実は挑戦していることがある。

南米館ホールでは現在ワタボウシタマリンとクロミミマーモセットの混合展示をおこなっている。混合展示を簡単に説明すると異なる動物種を同じエリアで展示することである。混合飼育の利点は以下のようなものがある。

●種間の自然な関係性を再現することによる、市民に対する多大な興味と教育的効果。

●複雑な相互作用の結果としての動物に対するエンリッチメント

(Rees 2016)

今回の場合ではワタボウシタマリンとクロミミマーモセットの生息域に重なっていないため、自然な関係性ではないが、相互作用は効果として狙うことができる。また、群れで生活する両種にとって他個体との交渉は与えたい刺激である。一方リスクもある。攻撃などの否定的な相互作用を及ぼす可能性などである。

ワタボウシタマリン シュクレ
クロミミマーモセット タム

緊張と恐れを感じながらも2頭の見合いを経て同居をさせた。同居直後は互いにやや距離をとっていたのだが、徐々に距離が近づき数日で毛づくろいまでしあっている。ここまで闘争もない。

我々の恐れは何だったのか。ひとまず、めでたしめでたしだ。

とはいえ、これをただの成功話で終わってしまったら未来に続かない。数十年後の飼育員たちがこの記事を目撃したとき「当たり前だろ」と思うのか、「ありえない」と思うのかは分からないが、「この時代にしてはよくやったよね」と言ってもらいたいので、私なりにここまでの結果を考察してみたい。

まずは両種ともに群れでの生活をしている種であるため、社会性があることが考えられる。また、両個体とも自然哺育であるため発達の過程でタマリン、マーモセットとしての振舞い方やルールをしっかりと学習していたことが、ここまでの結果をもたらしたのかもしれない。さらに野生のワタボウシタマリンは群れ間の個体の移動が見られることから、他の種に比べて他個体に対し寛容であると考えても大げさではないだろう。今後もこの2頭の様子を見ていこう。

ではまた、日本モンキーセンターで会いましょう。

おっと、忘れるところだった。この度、卒園、卒業された皆様、おめでとうございます!

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気になった方はぜひ覗いてみてください。

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