バックヤード担当:田中
今日はモンキーセンターの創立記念日。
毎年この日には、動物慰霊祭をおこなっています。
今まで亡くなった動物たちに思いを馳せる日です。
亡くなった動物たちのことを考えるのは決してこの日だけではないですが、『猿塚(慰霊碑)』を前にするのはこの日だけ。
この1年で亡くなった動物たちのことを思い返しながら、
こんな性格だったな、こんな風にしてあげればよかったな、と色々考えてしまいます。
今年の3月までは4年間マダガスカル班にいたので、やはりキツネザルたちのことが思い返されます。
ワオキツネザルのテツ
相当なおじいちゃんだったけれど、大きな手術を乗り越えて、
もしかしたらこのまま死なないんじゃないかと何度も思わせてくれる不死身っぷり。
最後の冬には入院しては元気になり、退院。入退院を繰り返したけれど、何度も復活。しかし私が不在の間に、再び体調を崩して入院。
思い込みなんだろうけど、私が職場に戻り、テツと会ったあとに亡くなりました。
本当に生きる力を感じさせてくれるワオでした。
何度も元気づけられました。本当にありがとう。
ワオキツネザルのレア
まだ4歳という若さでした。
扇風機が大好きで、夏になるといつもいつも扇風機を嘗め回し、ずっとへばりついていました。
レアは3歳ぐらいから、しょっちゅう便秘になり、温めたニンジンや自腹で買ってきたおいしいブドウをあげたり、整腸剤をあげたりしました。
ちょろっと出てきた繊維質なうんちを素手で引っ張って出したりすることもしょっちゅうありました。
この便秘が死を招いたひとつの要因だったことは、後々レアに教えてもらったことでした。
生殖器の異常→体内で肥大→便秘になる→腹膜炎を起こす
レアを助けてあげられなかったこと、レアの辛い部分をわかってあげられなかったことが今でも本当に悔やまれます。
ただ、レアによって、便秘に悩む他の個体を助けてあげられたのが救いでした。
レア、ごめんね。ありがとう。
エリマキキツネザルのジル
今いるクミン、シナモン、オレガノのお母さん。
優雅な性格で、自由気まま。子供たちとは仲良くできず、クリスじいちゃんと一緒に暮らしていました。
食欲、元気も通常のまま、便が緑になったり、白くなったり。
獣医さんとも相談していて投薬や検査をしたけど、はっきりとした原因はつかめず。
そして突然昼間に倒れこんでいるのを発見。
お腹にガスがたまりパンパンに。開腹手術をするものの、出血が止まりにくい。
一命はとりとめたものの、時すでに遅し。
胆汁が漏れている状態でした。痛み止めを打ち、ポカリスエットを飲む姿もみたけれど、間もなく死亡。
はじめてサルが痛みでもがくのを見ました。
本当に、本当に、何もできなかった。ただただ見守るだけで。
ジル、ごめん。
生き物を飼育していればいずれ死が訪れるってわかっていても、いざその時になると、たまらない。
悔しい思いをしないためにも、日々精進。日々観察。
そんなことを考えながら、動物たちの強さに尊敬し、動物たちの姿に癒され、動物たちの持つチカラに感謝。