アフリカセンター担当:奥村
本年もよろしくお願いします。
お正月ムードもとっくに終わってしまいましたが
アフリカセンターにくらすマンドリルのサムに
おせち、、、をプレゼントした様子をご紹介しようと思います。

ここ何年かマンドリルのサルおせちは竹で門松をつくっていたのですが
今年はキビでこしらえております。(全部食べられるやーつ)
ご寄付で頂いたたくさんの青果をふんだんにあしらい
準備完了です。

主役の登場はぬるりと、、、

少し高い位置をおせち会場に選んだので
きのこと呼んでいる台に上がった時に発見
遠めのサプライズです。

口をあけてサムが登場
主役の準備も万端なようです。

なにから食べようかな〜と選んでる様子のサム

おせちのお重に最初に手を伸ばしてくれたのですが、、、

わぁ〜
装飾を施してないゴリゴリのさつまいも

きれいに皮をかじりとって召し上がっていただきました
この時期
というか頂き物のさつまいもがうまいんだろうなぁ

お次はフルーツトマト!

どんどん食べ進めていきます。

門松の土台はダイコンでそこに海苔を巻いたんですが
サムは初見だったらしく匂いをチェックし

器として使っていたミカンの皮(奇跡のやつ、なかには盛り付けた様々な果物を)

背筋を伸ばして
しょりしょりしょり
フレグランス的なね
効果があるとかないとか
(海苔でやらなくて良かったなぁ~なんとなく)

そしてお重も空になるころ
ほお袋はパンパンに

いつでも探してしまう(さつまいも)

どっかに君(さつまいも)の姿を

ほお袋パンパンで髭びしゃびしゃに、、、

好きなものから順番に
盛り盛りおせちを堪能してくれた様子です。
そんなサムですが

昨年の11月から群れと離れてくらしております。
これまでにも群れ内での揉めごと(サムが原因でないことのが多かったと思うのですが)はあったりしてきたのですが
10月に群れのアルファオスであるキンシャサとの闘争でケガを負い
治療後に群れ合流した際に
これ以上は一緒にいられないという判断をしました。
サムはマンドリルのオスのなかでは年齢のわりには小柄な体形で
キンシャサもそれまでは一緒の環境でくらすことを許容していたようですが
いよいよ難しそうでした。
サムの兄貴分のニースケは8才の頃(2年前)にキンシャサと同等の体格になり
それまでもなんとか一緒にいられるように飼育環境に工夫をしてきたのですが
キンシャサとニースケの関係が極限まできてしまい同居を断念。
これまでに辛くもたくさんのサル類の闘争を見てきているのですが
チンパンジーのオス同士よりも
ヒヒの城のケンカよりも
キンシャサとニースケの駆け引きは危険性が高かったと思います。
当時はまだなんとか他の飼育エリアに移ることができ
現在もニースケは他のオスたちとくらしています。
サムの現在の年齢は9才
ニースケを群れから分離した後も
サムがなんとか少しでも群れ内でくらせるようにと
環境の改善を様々なご支援をいただきながら進めてきました。
運動場には

やぐらを増築したり

単管パイプを組みまくって
好みの場所を増やしたり
屋内のエリアも

もともと丸太で組んだお手製やぐらや消防ホース
目隠し板などはあったのですが

まずは1本単管パイプの支柱を、、、

それを起点に何本も支柱を立てて
移動できるスペースを増やしてみたり

わぁ〜
なんか上の方すごいことなってるわ〜
みたいな(本当は上部に設置されたエサを探索中)

昨年はあの手この手を試した1年でもありました。
ここまでマンドリルの群れが野生では霊長類最大の頭数(報告がある中で800頭とか)を形成し、そのなかで大人のオスが極わずかであり、他の大人のオスは単独でくらしているとか、性成熟(オス6〜8才、メス4〜6才)についてなど色々とすっとばして書いてきてしまっているのですが
サムはここ1年で体格こそあまり変化はないように思えたのですが
他のメス(主にディスコだけど)

から毛づくろいを受けたり

大人のオスとしてやはり変化があったようです。
母親のサヤコ

目閉じちゃってる

からの毛づくろい(頭頂部)は続いていたようですが
ニースケのようにオスグループへの加入も考えましたが
お年寄りのガボンもいるし、スペースや環境に限界が
群れとサムは今、運動場や寝室を交代で利用しています。
サムと一緒にくらせるメス(ほとんどそうなのですが)と新たなグループをつくることも考えましたが、隣接したエリアでおこなうことによってメスグループが分断したり
また、サムが新グループのアルファオスとして成長することは
今後オスグループに加入したり、新規の群れ形成や同居に少なからず影響することを考え
今はひとりでくらしてもらうことを選択しました。
未来は見に行けないし、過去にも戻れないので
正直この選択がサムにとって正しいものなのかはわかりませんが
若いサムが今後誰かと暮らすための可能性を今の状況で、できる限り
多く残せるようにと、苦渋の選択ではありましたがそう考えました。
こういったご報告がとんでもなく遅くなってしまいました。
既存のSNSでも発信はできるのですが
もっとリアルタイムでお知らせできるようなものも考えていければと思っています。
最後まで読んでくれた皆さまありがとうございます。
モンキーセンターでおこなう様々な活動を
これからも見守って頂ければと思います。
年の初めにサムを思い

新年のあいさつと代えさせて頂きます。