どこから来たの?

3月になり、徐々に暖かさを感じる時期となったが、毎年この時期には私を悩ます強敵の猛攻…

強敵の正体は花粉症。毎日目のかゆみに鼻づまり、鼻水に耐えているのだ。地球の資源よ、すまん。無駄にしてはいないが毎日何枚ものティッシュペーパーを使っている。

そんな私は、花粉症の薬売りでもなければ、鼻にやさしいティッシュを作る製紙会社の人間でもない。飼育員なのだ。

南米館担当の高田です。

冒頭のタイトルは3月、4月はいくつもの別れと出会いのに時期ということもあり様々なところで「どこから来たの?」こんな言葉もいたるところで聞けたりする。

では、中南米に生息する霊長類のはじまりを考えよう。

南米大陸は中生代の中頃まで、アフリカ大陸などと共にゴンドワナ大陸の一部であった。大陸移動によって南米は他の大陸と次第に分離し最終的に現在の北米大陸とつながった。

なんと化石記録によると南米大陸にはもともと霊長類はいなかった!

大変だ。どう南米にやって来た?それは約3000万年前に既に分離していたアフリカ大陸から渡って来たのだと考えられている。

「何を言っている貴様!いつぞやの記事に中南米のサルは泳げないと書いていただろ。」と思う読者もいるだろう。

しかし、当時の南米とアフリカの距離は一番近い距離で500㎞程(タマリン約125万頭分)しか離れておらず、アフリカ大陸西海岸から大規模な洪水や津波で流され絡まった植物や木々が絡まった浮島に乗って小型のサルが到達したのだと考えられている(諸説あります)。つまり大西洋を横断したのだ。

これにはジャック・スパ〇ウやモンキー・〇・ルフィ、そしてコロンブスも驚きの大航海だ。

ワタボウシタマリン
南米大陸に渡った初めの霊長類はこんな姿をしていたかもしれない。
アカテタマリン
こんな姿の霊長類が南米最初の霊長類かもしれない
フサオマキザル
南米大陸に渡った霊長類の初めはもしかしたら
フサオマキザルを小さくしたような姿だったかもしれない

何せ乗っている船のエンジンはもちろん帆もない浮島での航海なのだ。映画や漫画の主人公より無茶をしている。

そんな冒険者・航海者たちの子孫は南米館で出会えます。

是非、観察にご来園ください

*オンラインサロン【猿分補給】では、日本モンキーセンターのスタッフたちから毎日いろいろな記事をメンバーの皆さまにお届けしています

気になった方はぜひ覗いてみてください。

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