アジア館担当: 舟橋
あまりこだわりは無いほうなんですが、繁殖関係の言葉になると、少しだけ細かいことが気になることがあります。
『胎児』じゃなくて『胎子』って書きたいとか、『育児』じゃなくて『育子』って書きたいとか、そうゆう細かい所なんですが、
こうゆう日本語の使い方なんていうのは、使い手で変わってしまうので、気がついたら『胎児』とか『育児』に修正されていたりします。別にいいんですが。
ただ、1つ譲れないものがあって、『estrous(発情)』なんですけど、これを「オスが発情すると…」みたいな変な使いかたをしている例です。訂正したくなります。
なぜなら、発情っていうのは、メスの性周期の1つの時期なのです。オスに発情はありません。
と、日本語の問題は置いておいて、今日はミナミブタオザルのお尻の話をしたいと思います。昨日は尻尾の話だったようなので。
以前、チベットモンキーの♂と♀のお尻を問題に出したとおり、サルのお尻って♂と♀で違うんですが、ミナミブタオザルのお尻は、そうゆうレベルではありません。
まず、こちらが♂のお尻です。
立派な””ブタのような尻尾””に目が行きがちですが、白色のお尻にピンク色の尻ダコが目立ちますね。
一方でこちらが♀のお尻です。
ブタのような尻尾よりも、全体的にピンク色のお尻に目が行きます。だいぶ違いますよね。
このピンク色のお尻は、
座ったら見えないくらいの大きさの時から
座ったら座布団みたいになる時まで日によって大きさが変わります。
これを『sexual swelling(性皮腫脹)』と言います。
(アジア館のミナミブタオザルは、どうも性皮腫脹が同調している気がするので、よく見てないと見分けるのが難しいですけど)
この大きさの変化は、実感としては1月に1回くらいかなという感じですが、50年くらい前の研究では、平均42日って結果が出ているみたいです。気になる方は、頻繁に観察してみてください。
ブタオザルは、こうやって目で見える感じで、静かに何かアピールしているイメージがあります。
そのうちの1つにこれも含まれますね。
最近、年末の親子喧嘩で群れに♂はアルムしかいないので、アルムのこの顔を見る機会も増えたような気がします。
ちなみに、この『pucker』と呼ばれる表情は、オスから発情したメスに対してよく見られるそうです。オス同士だと、低位個体から高位個体に対する闘争回避に使われるようですが。
アルム♂が本当にこの意味で使っているかは、調べたことが無いので全くわかりかねますがね。
あぁ、そうそう、この間、アルムが隣のローレライにこの顔をしていたんですが、一体どういう意味だったんだろうか。。。