順番待ちの話

北園担当:舟橋

 

 直接「バレンタインデーですからね」とか別に言われてないんですけど、この時期は寄附でもらった大量の落花生なんかを袋一杯に入れて歩いていると、少しソワソワしちゃいますよね。「あの飼育員さん、もの凄い沢山なにかもらってる!」って聞こえてくる気がしますよね。こんばんは、舟橋です。

 

 

 たき火にあたるサルのシーズン中のライブ配信で、しきりに「モンキーバレイには寄附が来ない」とか「来ても全部モップかテナガザル行きだ」とか「モンキーバレイに来るのはミカンの皮くらいだ」みたいなことを言った努力が実ったのか、前述した『落花生』であったりとか、『イチゴ』であったりとか、『ブドウ』であったりとか、そういった高級食材がモンキーバレイにも届くようになりました。

 

 

普段、ケガしたヤクシマザルとか風邪気味のヤクシマザルは、舟橋お手製の水に浸した食パンに薬を挟んで『ギュッとした奴』で薬を食べる(食べさせている)んですけど、たまに『ギュッとした奴を渡すと、口に入れずに持ったまま自慢げに歩き回ってタイマツに脅される個体(ウグイス)』もおりまして、早く食えやって思うんですね。で、そんな時、すぐに口に入れたくなる高級食材として、この果物類を使わせていただいております。ありがとうございます。

 

 一方で、この寄附でいただいた果物類には、稀に「この個体にあげてください!!」っていう条件が付与されております。単純明快で簡単なのは、強い個体が指定されている時(ウィンキー)なんですけど、一番多いのは「弱い個体へ」ってものです。ちなみにモンキーバレイに寄附いただく際は、逆に「強い個体へ」って記入しない限り、ウィンキーとかタイマツには行かず、全て弱い個体行きになりますのでご安心ください。

 

 

 で、今回は「ウグイス(とヒョウガ)へっていうブドウ」がありましたので、丁度鼻の横が腫れていて薬をあげているウグイスの投薬に使わせていただきました。

 

 いまのモンキーバレイは、整腸剤を除くと5頭に薬をあげていて(整腸剤は10頭くらい)、写真だと左上から時計回りにタンクの肌荒れの薬、タブーとリオンの避妊薬、ウミヤシの尻のケガの薬、そしてウグイスの薬です。このうちタンクとタブーとリオンは『ギュッっとした奴』、ウミヤシは『モンキーセンターへっていうブドウ』、そしてウグイスは『ウグイス(とヒョウガ)へっていうブドウ』です。

 ちなみに他の部署では、ジャムやらなんやらで味を隠すようですが、モンキーバレイは「舟橋が持っているものは全部良いもの」って洗脳が進んでいるので、隠さなくても基本食べます。なので、食べるか、持ち歩いて盗られるかの違いで、渡す果物を変えます。

 

 

 投薬にどのようなイメージを持たれているかわかりませんが、モンキーバレイでは『舟橋がいちいち個体を探すのが面倒』という理由で、挙手性を取っています。「薬欲しいなら並んで」システムですね。昔はトレーニングをしていましたけど、今は『モンキーバレイでは、飼育員の目線の先で奪うの禁止』っていうローカルルールがあるので、渡してから見てさえいればなんとかなります。

 

 

飼育員が入ってくる入口の扉をノックすると列ができるので、順番に手渡しです。ちなみにコレ、毎日やっていますが、来園者の前では恥ずかしいから絶対にやらないって決めているので、なかなか見せる機会がありませんね。

 

 

ウグイスは、彼なりにポリシーがあるのか、扉前に来ないので、少し離れた所で待っています。まだ鼻の横が腫れています。

 

 

 ちなみにこの順番待ちシステムをやりすぎて、一番強い♂のタイマツが、舟橋に怒られると勘違いして飼育員から薬を受け取らなくなったのが最近の悩みです。タイマツにあげたいときは、わざと上を向いて歩きながら、わざと手で持ってフラフラ歩いて、わざと盗ませる謎の手法をとっています。

 

 

 最後になりますが、今年度のたき火にあたるサルの動画を本日2/14から2/21までの1週間の間だけ限定公開させていただきます。1週間で消えますので、まだ見てない方はどうぞご覧ください。