今回は、シロテテナガザルのジェニファーとしばらく続けていたトレーニングがなんとか成功しました、というお話です。※どなたでもご覧いただけます。
テナガザル担当の奥村です。こんにちは。
昨年の7月頃よりじわじわと進めてきておりましたトレーニングなのですが、ようやくしっかりとした注射まで漕ぎ着けることができました。
トレーニングに取り組んでもらった個体は
シロテテナガザルのジェニファーです。

ジェニファーのトレーニングの経緯はこちらをご覧ください↓
【Tenagram】ジェニファーと注射針 ※サロン限定記事
上記の記事に書いた少し『トロッとした薬液』を筋肉へと注射するために、
まずはこれまた筋肉へあらかじめ導入のための注射をする。
といった手順を目指しトレーニングをしておりました。
前回の検査の頃はなんとか皮下注射のトレーニングができる程度、、、
検査以降もトレーニングを継続し、
先日、注射トレーニングに成功しました!
今回の注射後は前回のように、ジェニファーから極度に冷たい態度をとられることもなく。
関連記事はこちらをご覧ください↓
【Tenagram】キュータロウの写真集を作っていただきました。 ※サロン限定記事
「まぁ、お前はそういうことするやつだよね。なんか事情があるか知らんけど。」
くらいには思ってもらえた気がします。
注射の翌日からも抵抗なくトレーニングに参加してくれました。
本番は薬液を取り扱うため、新設したスクイズ機能で動きを制限しつつ、獣医さんにおこなってもらいました。
獣医さんのスキルが高すぎるのか、神技くらい注射が早かったこともあり、そういった点でも今後の薬液注射はこの方法が一番ジェニファーに負担をかけずにおこなえるのではないかと考えています。
トレーニングでは、動物の種によって、また個体によってもやり方は様々なんだなと改めて思いました。
ジェニファーの場合もガチガチのハズバンダリートレーニングというよりは、結果的に対話形式?といったものに近かったと思います。
トレーニングをする際の強化子(ご褒美)においても、好物だったりがメインとなる場合が多いのですが、食にそこまで執着のないように思えるジェニファーにとってはスキンシップの方が強化子に適しているようでした。
もちろん好物も少なからずおさめさせていただいたわけなのですが、、、
前任の担当者から「手打ち注射はもう無理」のお墨付きをもらっていたジェニファーですが、自身の経験上「話せばわかるんじゃないかなぁ〜」という気持ちで取り組み、彼女のペースに合わせてやってこれたと思います。
これに関しては、アフリカセンターメンバーである、ニシゴリラのタロウさんやチンパンジーの皆さんとこれまで濃密な時間を過ごせさせてもらったことが大きいです。
また、注射のトレーニングの指導を丁寧にしてくれた神獣医師と、奥村がテナガ担当じゃない日も、入社1年目から隔離や注射に慣らすためのトレーニングの継続を引き受けてくれたはるきちゃん(テナガ担当者)。
そして、もちろんジェニファーにも、とっても感謝しています。
そんな気持ちも込めまして、お花をあしらったおつかれさま会を、、、

エディブルフラワーの会、開催です。
※ご寄附でいただいたものを使わせていただきました。ありがとうございます。

「花だなぁ」といったご様子のジェニファー

黄色もよく似合いますね

トレーニングでは強化子エサ部門第2位であったイチゴを!
※ちなみに第1位はブドウです。

口元に運び、舐め、、、!?

「うまぁ〜〜」
からの

「うまぁっつ」
っといったご様子でした。よかったです。
とはいえ、ジェニファーは高齢ということもあり、
また、お腹に爆弾をかかえているといった事実に変わりはありません。
トレーニングを再開したのも、奥村が注射をできるように!が目的ではなく、
ジェニファーにとっていかに負担が少なく、かつ継続できる方法をみつけたい、というものでした。
健康管理上のトレーニングにおいても、特定の人が1回だけできても、そんなに意味はないので、今回のような環境づくりや、その継続を心がけていきたいと思っています。
また、今回の手法を他の個体や他種においても応用していければと思います。
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※オンライサロン『猿分補給』では、モンキーセンターのスタッフから、いろいろな記事をメンバーの皆さまにお届けしています。
気になった方はぜひ覗いてみてください。
https://community.camp-fire.jp/projects/373624/preview?token=3pppyarn
奥村さん、おめでとうございます。大きな一歩に立ち会えて、とても嬉しいです。次のステップに向けて、更なる最強チームの構築を願っています。
ありがとうございます!注射トレーニングをやったことのないフラットな状態ではなく、マイナスからのスタートだったため、困難なこともありましたが、ゆっくりと慎重に進めてきました。これからもジェニファーを信じて、このような環境を継続していきたいと思います。(奥村)