本邦初公開! 江戸の奇想派・伊藤若冲の「比翼双鶏雛図」
特別企画「鶏(とり)ッキーなご猿(えん)」展
■企画概要
伊藤若冲(1716-1800)は江戸中期の京都で活躍した画家です。着色画においては写実的に、何よりも生き生きとした動植物を色鮮やかで華やかに描きました。一方で水墨画では紙と墨の特性をうまく利用して描く筋目描きと呼ばれる技法とともに、ユーモアを交えたものもある作風が特徴です。そのほかにも升目を使って描いた作品、黒と白だけを使った版画作品など、多様な技法と唯一無二の世界が魅力的な絵師です。個性際立つ作風から、現在は曾我蕭白や長澤蘆雪などとともに「奇想派」とも称され、多数の展覧会が開催される人気の日本画家です。
当園の下村園長のもつご猿(ご縁)が生んだ、若冲にまつわるちょっと変わった展示会をお楽しみください。
会期:2026年4月18日(土)~5月17日(日)
会場:ビジターセンター
観覧料:無料(ただし当園への入園料等は別途必要)
協力:伊藤 謙氏、株式会社海洋堂

■展示作品紹介
①水墨画 比翼双鶏雛図 (ひよくそうけいすうず)
若冲の水墨表現の真骨頂でもある鶏の羽毛の描写が際立つ作品。本作では比翼のごとく寄り添う二羽の鶏と雛が描かれます。これは夫婦和合と子孫繁栄を象徴する吉祥図と考えられ、祝いの場で大切に伝えられた作品と考えられます。
②立体造形 古田悟郎氏(株式会社海洋堂 所属)による若冲の絵画をモチーフとした作品
◇国宝『動植綵絵』より 南天雄鶏図
動植綵絵は30幅に渡り動植物を描いた若冲を代表する作品の1つ。
原図の南天雄鶏図はその1幅で、赤い実を多数つけた南天を背景に黒を基調とした雄鶏が力強く描かれています。この雄鶏を立体作品としたもので、雄鶏の勇壮さが表現されています。
◇猿猴捕月図
原図は親子の手長猿が、水面に映った月へと手を伸ばす瞬間を描いた水墨画の作品。顔の中心に小さく目や鼻、口を集めた特徴的な表現は中国より伝来し日本で人気を博したテナガザルの描き方です。
立体造形になることで、一層かわいらしくユーモラスでありつつも温かな親子の姿が表現されています。
③当園所蔵「猿二郎コレクション」より、「鶏と猿」に関する民俗資料 数点

■日本モンキーセンターで本企画を開催することになった経緯
今回展示する伊藤若冲の作品の所蔵者である伊藤 謙氏(大阪大学総合学術博物館 招へい准教授、若冲研究家で若冲の縁戚でもある)と、立体造形作家の古田悟郎氏は、当園の下村 実 附属動物園長と「博物学」や「生きもの好き」という共通点で知り合った長年の友人です。下村園長と両氏との出会いは生きもの好きが集まる会合の場で、その後、絶滅したマチカネワニなどの古生物や、龍や人魚といった伝説上の生物に関するプロジェクトなどで何度もご一緒しており、ちょっと変わった(トリッキーな)関係が続いています。
そういったご縁(ご猿)から、両氏の「モンキーセンターを応援したい」というご厚意により作品をお借りできることとなり、今回の特別企画が実現しました。なお、伊藤氏には、当園が開催する連続講座「プリマーテスカレッジ」の今年度の講師(第4回 9月6日開催)も務めていただきます。




