モンキー日曜サロン
研究者(やその卵)に、研究内容をわかりやすく紹介していただきます。 サロン形式の堅苦しくないイベントです。 参加費無料&事前申込不要ですので、お気軽にご参加ください。
■日程:春から秋の月1~2回 日曜日 11:00~11:45 ※一部例外あり
■場所:ビジターセンター ホール
■主催:公益財団法人日本モンキーセンター、京都大学野生動物研究センター
※友の会のマイメニューをお持ちの方(サポート会員の方、クレジットカード決済で入会された一般会員の方)を対象に、 Zoomを利用したオンライン配信をおこなっています。 マイメニューの「会員特典クーポン」をご覧ください。
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第91回モンキー日曜サロン
「おなかの中にもサルの社会?ー混群をつくるアカオザルとブルーモンキーの腸内細菌研究」
2026/7/12(日) 11:00~11:45
北山 遼 先生(北海道大学 大学院地球環境科学研究院/総合イノベーション創発機構)
アフリカの熱帯林に生息するアカオザルとブルーモンキーは、別々の種でありながら、混群と呼ばれる、一緒に行動する群れをつくります。同じ人間同士でさえ面倒なことがたくさんあるのに、どうして違う種同士で一緒に暮らせるのだろう? そんな疑問から、ウガンダ共和国のカリンズ森林で、2種の混群の研究をおこなってきました。アカオザルとブルーモンキーは、混群の中で何を共有し、どこまで混ざるのでしょうか? 今回の日曜サロンでは、混群をつくるサルたちの腸内細菌の研究を通して、細菌の視点から霊長類の社会をのぞいてみます。アフリカでの調査や現地での暮らしの様子についても、お話ししたいと思います。

第93回モンキー日曜サロン
「サルが快適に暮らすために!!~動物園での繁殖管理の必要性~」
2026/8/30(日) 11:00~11:45
對馬 隆介 先生(北海道大学大学院獣医学院/宇部市ときわ動物園)
動物園・水族館での「繁殖」というと、どのような印象を持っていますか。動物を増やして絶滅を防ぐ「種の保存」を思い浮かべる方が多いかもしれません。実際に、動物園・水族館は生息域外保全の拠点として重要な役割を担っています。一方で、動物たちが健康で快適に暮らせる環境を維持するためには、「あえて産ませない」という選択が必要になることもあります。動物が増えすぎると生活空間が狭くなり、ストレスや争いが増えるなど、動物福祉の低下につながる可能性があるためです。特に繁殖力の高いサル類では、群れの安定や良好な飼育環境を維持するために、適切な繁殖管理が欠かせません。今回の日曜サロンでは、動物福祉の視点から繁殖管理の重要性を考えるとともに、動物の数を適切に管理するためのさまざまな技術について紹介します。

以下は終了したモンキー日曜サロンです。
第90回モンキー日曜サロン
「共通の危機:ヒトとゴリラにおけるエボラの歴史と、コンゴ民主共和国およびウガンダにおける現在の緊急事態」
Shared crises: brief history of Ebola in people and gorillas and the current emergency in DRC and Uganda
2026/6/28(日) 11:00~11:45
ラケル・F・ペレイラ・コスタ 先生(名古屋大学) 通訳:林美里(学術部長)
Raquel F. Pereira Costa, Nagoya University Interpreter:Misato Hayashi, Head of Academic department
エボラウイルスは重度の発熱を引き起こす致死性の高いウイルスであり、1976年の発見以来、数多くの公衆衛生上の緊急事態を引き起こしてきました。ヒトへの壊滅的な影響で広く知られていますが、エボラは私たちの近縁種であるゴリラにとっても、主要な脅威となっています。2000年代前半に発生した過去のゴリラでのアウトブレイクは壊滅的で、一部の森林地域ではゴリラにおける致死率が95%に達しました。疫学モデルによると、この期間中にエボラウイルスは世界のゴリラ個体群の推定3分の1を死滅させたとされています。
現在、コンゴ民主共和国とウガンダで進行中の2026年のアウトブレイクは、新たな危機を突きつけています。この特定のエボラウイルスの株は、ヒトとゴリラの両方に有効な認可済みワクチンが現時点で存在しないため、特に危険です。最後に私たちは、絶滅危惧種の類人猿である野生ゴリラに対して、命を救う医療とモニタリングを提供している「ゴリラ・ドクターズ(Gorilla Doctors)」の極めて重要な活動に光を当てます。彼らの「極限的な保全(extreme conservation)」の取り組みは、一度アウトブレイクが生じてしまうと、個体群が元の状態に回復するまでに130年以上もの時間を要するこの種にとって、最後の砦となっています。
Ebola is a deadly virus that causes severe fever and has triggered many human health emergencies since its discovery in 1976. While well-known for its devastating impact on people, Ebola is also a primary threat to our close relatives, gorillas. Past outbreaks in the early 2000s were catastrophic, with mortality rates reaching 95% in some forest areas. According to epidemiological models, the virus wiped out an estimated one-third of the global gorilla population during this period.
Today, an active 2026 outbreak in the Democratic Republic of the Congo and Uganda presents a new crisis. This specific strain is especially dangerous because there is currently no licensed vaccine to protect humans and gorillas from it. Finally, we highlight the vital work of Gorilla Doctors, who provide life-saving medical care and monitoring to these endangered apes. Their "extreme conservation" efforts are the last line of defense for a species that can take over 130 years to recover from a single outbreak.

第89回モンキー日曜サロン
「リベリア共和国パラでチンパンジーを追う-通年調査で初めてみえてきたこと-」
2026/6/21(日) 11:00~11:45
大橋 岳 先生(中部大学 人間力創成教育院)
リベリア共和国パラでは2012年から保護区外に生息する野生チンパンジーの調査を継続してきました。今回、2025年4月から2026年3月にかけて初めて1年間の通年滞在調査を実施しました。その結果チンパンジーの遊動域の全体像がようやくみえてきました。パラの村の周辺をよく利用するだけでなく隣接する村の周辺も頻繁に利用していることがわかってきました。また季節ごとの採食の変化や人びとの焼畑や狩猟などの生業との関わりも具体的にみえてきました。
今回の日曜サロンでは通年滞在によって初めて明らかになってきたチンパンジーのくらしについて紹介します。

第88回モンキー日曜サロン
「毒を持つ外来種を捕食するカンムリワシの不思議 」
2025/6/29(日) 14:00~14:45 ※開催時間が通常と異なりますのでご注意ください
戸部 有紗 先生(京都大学野生動物研究センター)
沖縄県の西表島と石垣島のみに生息するカンムリワシは、絶滅危惧IA類に指定される希少な猛禽類で、現在その数はわずか200羽ほどです。島の民謡に登場するなど、地元ではとても身近な存在でもあります。 そんなカンムリワシが注目されている理由のひとつに、「毒を持つ外来種を食べる」という行動が挙げられます。1978年に石垣島に持ち込まれた外来種であるオオヒキガエルは、強い毒を分泌することで知られています。同様にこのカエルが人為的に持ち込まれたオーストラリアでは、毒によって捕食者が中毒死した例が報告されています。 なぜカンムリワシはオオヒキガエルを食べることができるのでしょうか? これまでこの謎については、科学的に詳しく調べられてきませんでした。今回の日曜サロンでは、最新の遺伝解析技術を使い、この不思議にせまった研究についてご紹介します。

第87回モンキー日曜サロン
「ニホンザルはコンタクトコールで何をどうやって伝えるのか?」
2024/12/1(日) 11:00~11:45
勝 野吏子 先生(大阪大学大学院 人間科学研究科)
サルといえば「キーキー」と鳴いているイメージがあるかもしれません。でもニホンザルをよく観察してみると、澄んだ声で「クー」と鳴いたり、静かな声で「グッグッ」と互いにやり取りしたりしています。これらの穏やかな音声はコンタクトコールと呼ばれ、集団内の個体同士で鳴き交わされます。ニホンザルはこれらの音声で、何を伝えているのでしょうか。また、相手に音声が伝わるように、何か工夫をしているのでしょうか。飼育、野生のニホンザルを対象として行われてきたこれまでの研究や、私自身が餌づけ集団のニホンザルを対象として行ってきた研究から、分かってきたことをお話しします。

第86回モンキー日曜サロン
「iPS細胞を使って探るテナガザルの腕の伸ばしかた」
2024/11/3(日) 11:00~11:45
濱嵜 裕介 先生(京都大学 ヒト行動進化研究センター)
テナガザルはその名の通り長い腕が特徴的で、日本モンキーセンターでも、テナガザルが長い腕を使って枝から枝へ飛び回る姿を見ることができます。しかし、テナガザルの長い腕はどのように進化してきたのでしょうか。私はこれを調べるためにiPS細胞を使った研究を行なっています。iPS細胞と言えば再生医療や創薬などが思い浮かびますが、実は様々な霊長類の進化の研究にも大きく役立ちます。 今回の日曜サロンでは、iPS細胞とは何か、iPS細胞がどのように霊長類の研究に役立つのか、そして、現在私がiPS細胞を使って進めている、テナガザルの長い腕の進化を探る研究についてご紹介したいと思います。

第85回モンキー日曜サロン
「化石から復元する絶滅したキツネザルの脳」
2024/10/27(日) 11:00~11:45
豊田 直人 先生(京都大学 ヒト行動進化研究センター)
ここ犬山市から遥か11,200㎞、マダガスカル島には沢山の種類のキツネザルの仲間が生息しており、その数なんと約100種類にも及びます。食べ物の好みも違えば、得意な運動の仕方も違えば、目が覚めている時間帯も違う、そんなキツネザルの仲間ですが、人間の影響などによって500年以上前に絶滅してしまったものもいます。そういった絶滅したキツネザルの仲間がどんな生き方(生態)をしていたのか、知りたくありませんか?私は、キツネザルの頭蓋骨の化石から脳のかたちを復元して、脳のどの部分が大きくなっているのかを調べることで、キツネザルの絶滅種の生態を推定しています。今回の日曜サロンでは、これまでの研究で分かったことと合わせて、研究者が普段どのように化石を研究しているか、研究者の生態もご紹介したいと思います。

ワオキツネザルの頭蓋骨(黄色)と、頭蓋骨から推定された脳のかたち(青)。頭蓋骨を前からみています。
第84回モンキー日曜サロン
「サルとヒトののどを比べて探ることばの起源」
2024/6/16(日) 11:00~11:45
西村 剛 先生(京都大学 ヒト行動進化研究センター)
私たちは、のどにある声帯を振るわせて声をつくっています。しゃべったり、うたったり、どなったりと、ときどきに応じて、声帯の振るわせ方は、異なります。サルは、種が違えば、声も違います。ニホンザルは柔らかくクーとなき、マーモセットは甲高くフィーと、サキはキャキャキャとないています。しかし、私たちのように長々としゃべり、朗々と歌ったりはしません。なぜでしょう? サルののどのかたちや声帯の振るわせ方の最新の研究から、私たちの声の特徴とその進化を紐解きます。

第83回モンキー日曜サロン
「あくびは伝染する、おしっこも伝染る?~チンパンジーの行動伝染現象~」
2024/5/26(日) 11:00~11:45
大西 絵奈 先生(京都大学 野生動物研究センター)
おしっこ、いつしたくなりますか? もちろん尿が溜まればしたくなると思います。でも本当にそれだけでしょうか。家を出る前にしたくなる、本屋に行ったらしたくなる、誰かがトイレへ行くのを見るとしたくなる・・・そんなことって、ありませんか? チンパンジーの観察中、排尿が伝染しているような場面がよく見られます。誰かが排尿して、そのあとに他の誰かが排尿する、という場面です。これまで排尿の社会的側面についての学術的な議論はほとんどありません。でももしかしたら、あくびの伝染のように、排尿も他者に伝染するのかもしれません。だとしたらなぜ? 私のおこなっているチンパンジーの排尿伝染研究についてお話しします。




