特別展「海とサルの交わるところ」

2025年7月、日本モンキーセンターでは特別展「海とサルの交わるところ」を開催しました。
この特別展では、海辺でくらすこともあるニホンザルやカニクイザルと海との関わりを紹介するとともに、中南米やマダガスカルなどへ海を超えて分布を広げた霊長類等の適応放散に目を向けました。
当園で「海」を主題とした特別展をおこなうのは今回が初めてです。

霊長類は森林を主な進化の舞台にしてきましたが、約500種にも多様化した霊長類の中には、海を上手に利用してくらしている種もいます。また私たちヒトは、広大な海を超え、最も積極的に海を利用してきた霊長類です。海を越え、海を利用してきた私たちのルーツにも思いを馳せてみましょう。

会期:2025年7月19日(土)~11月30日(日)
場所:ビジターセンター 特別展示室

主催:公益財団法人日本モンキーセンター
特別協力:船の科学館「海の学びミュージアムサポート」
協力:野外民族博物館リトルワールド

【特別展示室風景】

 

 

 

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第1章 海とニホンザル

四方を海に囲まれた日本には、日本固有種であるニホンザルが生息しています。
中でも幸島(宮崎県)や金華山(宮城県)など、島に生息するニホンザルは群れの動向を追いやすく、恰好の調査対象となってきました。
第1章では特別展の導入として、海辺の調査地で観察されてきたニホンザルと海の関係をご紹介します。

>> 第1章 海とニホンザル

第2章 海と世界のサル

世界に目を向ければ、ニホンザルよりももっと海を積極的に利用しているサルもいます。
植物だけでなく、さまざまなものを食べる雑食性の強いサルのなかまは、生息地内にアクセスしやすい海辺の環境があれば、採食場所として利用します。マカクのなかまや、オマキザルのなかまなどがそうです。その探索方法や食べ方は、種や地域によって特徴があるようです。採食場所としてではなく、夜の泊り場として水辺を利用するテングザルのような例もあります。
ここからは、海と世界のサルの関係を見てみましょう。

>> 第2章 海と世界のサル

第3章 海を渡った霊長類たち

もっとも古い時代の霊長類の化石はおもに北半球から発見されています。
北半球から分布を広げた霊長類は、中南米やマダガスカルのように大きな海で隔てられた地に渡りました。
また、東南アジアではマレー半島だけでなく、多くの島にも霊長類がくらします。
彼らのたどった歴史を見ていきます。

>> 第3章 海を渡った霊長類たち

第4章 人類進化と海

さまざまな霊長類と海との関係を見てきましたが、ヒトほど海を利用する霊長類はいないでしょう。
特別展の最後には人類進化の視点から、人類の渡海と海産物利用についてご紹介します。

>> 第4章 人類進化と海

おわりに

 日本モンキーセンターとしては初めてとなる、海を主テーマとした特別展、いかがでしたか?
海に目を向けると、空間的にも時間的にも視野が広がるように思います。 過去をさかのぼれば、霊長類の分布拡大や多様化、人類の渡海や海産物利用など、本特別展でもご紹介したようなドラマティックな出来事がたくさんありました。未来へ目を向ければ、気候変動による海面上昇や海洋プラスチック問題など、海で顕在化する地球規模の環境問題は、私たち霊長類を含む多くの生物種の未来を脅かしています。
本特別展を通じて、サルから森へ、森から海へと、思いをはせていただければうれしく思います。