ニシゴリラのタロウの治療方針について

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当園で飼育しておりますニシゴリラのオス「タロウ」の健康状態と治療方針についてお知らせいたします。1973年4月生まれのタロウは現在52歳で、国内のオスのゴリラでは最高齢の個体です。年齢とともに運動量も減り、日中の寝ている時間も多くなりました。時折、関節を痛めたような症状が現れたり、食欲不振に陥ったりすることがありますが、概ね元気です。

これまで大きな病気もなかったタロウですが、ここ数年の間で、睾丸周辺の膨らみが目立つようになり、症状から精巣の腫瘍が疑われております。病因については複数の可能性が考えられますが、腫瘍かどうかの検査や、それを切除するためには麻酔が必要となります。しかし当園ではこれまでゴリラに対して麻酔下での健康診断をしてこなかったため、スタッフの経験も、麻酔に対するタロウの反応についての知見も、十分なものとはいえません。さらに高齢のゴリラにとって、検査や治療のための長時間麻酔は命にかかわるリスクが大きいことや術後の管理の難しさ、そして今回のケースではすでに転移している可能性もあり生殖器周辺の腫瘤の切除では意味をなさないことも考えられます。以上を踏まえて関係者間で協議を重ねた結果、現時点では積極的な外科的治療をせず、内服による治療をおこなっていくこととしました。

現在タロウの睾丸周辺には擦過傷とみられる傷があり、こちらに対しても薬剤の塗布と内服薬による経過観察で様子を見ています。状況によっては急遽展示を中止する場合や、容態が急変する可能性もありますことをあらかじめお知らせいたします。タロウの苦痛を減らし、これまでの生活スタイルをできるだけ長く維持していくことを今後のケアの基本方針としております。必要に応じて他園館や専門家からの助言を仰ぎながら進めてまいりますので、引き続きのご理解とご支援をお願いいたします。

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