ワークシート「霊長類の行動観察入門」

■対象学年

高校生~大学生

■全体説明

行動観察とは、ヒトを含め動物の行動を科学的・定量的に評価するための手法です。このワークシートでは、1個体に注目して観察する「個体追跡法」と一定時間間隔で行動を記録する「瞬間記録法」を使って行動観察を体験します。最後に観察個体ごと、種ごとにまとめをし比較をすることで、同じ霊長類であっても行動や社会に多様性があることに、自ら気づくことができます。また科学的なデータの取り扱いを体験することができます。

■使い方

霊長類の行動観察入門

園内で観察できる霊長類のうち、学習目的に適した種を選定して家系図を示しています。この中で各自が対象個体を決め、観察します。1個体を2名以上が担当し、記録係、観察係に分かれて協力しておこなうと、間違いが少なくてすみます。なおこのワークシートは一例です。観察できる個体が変わることもありますし、学習目的によって適した種も異なりますので、毎回新しいワークシートを作成します。

実習・行動記録をとる

この記録用紙を利用して、瞬間記録法により記録します。30秒もしくは1分間隔での記録がよいでしょう。その瞬間の行動を、「採食」「休息」「移動」「その他(自由記述)」、LOST(見失う)のどれかで記録します。冒頭10回分は行動のみを、11回以降は行動に加え、近くにいた個体を記録します。各行動の定義を観察者で共有しておくことが大切です。

行動観察 結果のまとめ

このシートは、1個体ごとに1枚使用します。記録用紙をもとに、各行動の回数などを集計し、簡単な円グラフにまとめます。学習目的によって算出すべきデータも異なりますので、毎回新しいワークシートを作成します

■使用条件

「サルの行動観察入門」と「行動観察・結果のまとめ」は、あくまで一例として掲載しています。学習目的や飼育個体の状況に合わせて毎回作成いたしますので、ご相談ください。

※本ホームページは、科学研究費補助金の助成を受けて作成しました。

  平成20年度~22年度 基盤研究(C) 課題番号:20605014 研究代表者:高野 智
  研究課題名:「学校教育との連携による地域密着型博物館活動の展開」

  平成25年度~27年度 若手研究(B) 課題番号:25871078 研究代表者:赤見 理恵
  研究課題名:「動物園における学習利用促進のための利用者研究と事前学習教材の開発」