■「サルのイモ洗い」を日本モンキーセンターでご覧ください

たき火にあたるサルたち

熱い焼きイモを池につけて食べる
人間以外の動物の文化的行動としてもっとも有名なものに 「幸島のサルのイモ洗い行動」があります。 河合雅雄さんが英文学術誌「プリマーテス」に1965年に発表した論文で、 世界的に有名になりました。現在、グーグル・スカラーで検索すると これまでに世界の学術論文で689回も引用されています。 今年はその記念碑的論文の発表からちょうど50周年です。

1953年9月に、三戸サツエさんが宮崎県の幸島で発見しました。 「イモ」とのちに名づけられた一歳半のメスの子どもがはじめました。 イモを水で洗う行動は、血縁と遊び仲間を通じて、しだいに群れに広がりました。 最初は小川の真水で洗っていたのですが、やがて海までもっていって 海水につけて食べるようになりました。塩味が決め手なのでしょうね。 文化の「発端」と、「伝播」と、その「変容」、 人間の文化がもつ主要な3つの側面をを野外で発見した貴重な記録です。 最初の発見から10余年間、川村俊蔵さんほか多くの学者が この行動の観察を続けた結果、英語の論文として世にでたものです。

現在、日本モンキーセンターの「モンキーバレイ」には1群れの ヤクニホンザルがいます。1956年に屋久島から来たサルです。 冬の風物詩となった「たき火にあたるサル」として有名です。 このサルは、はじめは木曽川ぞいの野猿公苑にいました。 そこで人間が与えた焚き火にあたるようになりました。 1997年4月26日に、群れは野猿公苑から今のモンキーバレイに移されました。 そこには水をたたえた池がありました。 1997年の冬の焚き火の始まった当初、 焼きイモを冷ますために池の水に浸けるようになりました。 これが「犬山のサルのイモ洗い」の発端です。 最初のサルはだれだったか? 焼き芋を手に入れられる状況から考えて、おそらく当時のアルファ個体 (スルメ♂2007年死亡)が最初だと思われます。 それがしだいに群れに広がりました。

現在、モンキーバレイでは、焼き芋ではない普通のイモを水で洗って食べます。 つまり幸島の野生ニホンザルと同じ行動をみることができます。 犬山では、イモだけではなく、りんごやその他の食物も水で洗って食べます。 世代を超えて引き継がれているうちに伝統が変わったのですね。 そうして世代を超えて変容することが文化の重要な側面でもあります。 またこの群れではニホンザルでは珍しい道具を使う行動も見ることができます。 フェンスの向こうの手に届かないところにある草を、棒を使って引き寄せて食べるのです。ビデオを用意しました。ぜひ本物を見に来てください。給食の時間に イモ洗いはほぼ確実にみることができます。


撮影:高潔(ガオ・ジエ)さん(北京大学)

参照文献
Kawai, M (1965)
Newly acquired pre-cultural behavior of the natural troop of Japanese monkeys on Koshima Islet.
Primates, 6: 1-30.

堀込了意(2008) モンキーバレイ・ヤクニホンザルの面白い行動
福井県 鯖江開催、中部ブロック飼育技術者研修会

2015年8月31日

日本モンキーセンター所長
京都大学霊長類研究所教授
松沢哲郎

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※日本の動物園等で飼育されている霊長類の種数は102種類です。(2015年3月31日時点、GAIN調べ。種間雑種その他の分類不明なものは除く。)
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