■日時:2015/4/19(日) 12:30~13:15 ■講師:大石高生先生 ※プロフィールはこちら (京都大学霊長類研究所 分子生理研究部門 准教授) 私たちは赤ちゃんとして生を受け、子供になり、大人になり、やがて年を取ります。もちろん、ニホンザルも同じです。春から夏にかけて生まれ、半年くらいは母乳をもらい、すくすく成長します。2,3歳はわんぱく盛りです。4,5歳で思春期を迎えてオトナになります。20歳頃からはだんだんと年老いた特徴を示すようになります。野生ではなかなか天寿を迎えることは難しいのですが、飼育環境では40歳くらいが最大寿命だと考えられています。 もちろん一頭一頭体格も性質も違いますが、ほとんどのニホンザルは同じようなタイミングで成長し、そして老化していきます。しかし、今回お話しするシワコは、とても珍しい例外だったのです。 霊長類研究所で生まれたシワコは、そのあだ名の通り、とてもシワが目立つ子ザルでした。元気に動き回っているのですが、飼育員さんがよく見てみると、目にくもりがありました。これは白内障といって、普通は年を取ったサルだけに見られる病気です。 シワコを詳しく調べてみると、体のつくりもはたらきも異常に老化が進んでいるようなところがありました。体を形づくる細胞を調べてみると、体の設計図ともいえるDNAに傷が付いたときに直す能力が低かったり、細胞分裂の速度が遅かったりすることもわかってきました。このような症状は、人間の「早老症」という病気に似ています。 シワコのビデオをお見せしながら、老化や早老症について、お話ししたいと思います。 ■対象年齢:高校生以上 ※対象年齢以外の方でも自由にご参加いただけますが、難易度等は対象年齢に合わせて進行いたします。 |
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※日本の動物園等で飼育されている霊長類の種数は102種類です。(2015年3月31日時点、GAIN調べ。種間雑種その他の分類不明なものは除く。) |