■日時:2016/6/5(日) 12:30~13:15 ■講師:柳 興鎭 (リュ フンジン) 先生 (京都大学霊長類研究所 社会進化分野 博士課程4年生) ボノボはチンパンジーと同じく、私たち人間と遺伝的に最も近い類人猿です。私はアフリカの中心部に位置するコンゴ民主共和国の熱帯雨林で、野生のボノボがどのように繁殖の相手を選ぶのかということを研究しています。一夫一婦の長期的な関係が基本である人間とは異なり、ボノボは多数のメスと多数のオスで集団を作り、その中でメスは短い排卵期間にだけ多数のオスと交尾をするという、「乱婚型」の社会で暮らしています。このため人とは違いボノボでは、交尾の相手を選択すること、交尾の相手として選択されることが重要です。このような違いに注目して、ボノボのメスがどのようにオスを誘惑し、まただますのか、そしてオスはどのようにメスの誘惑とトリックを見破るのか(または、だまされているのか)という問いに答えることが、私の博士課程における目標です。 私たち人間も霊長類の一種であるという視点から考えると、人の一生に重要なことは、第一に生存すること、第二は繁殖相手の選択することです。人間はこの二つを、与えられた文化と環境の中で最善を尽くして達成しているのだと考えてみましょう。私たちが日々行う選択にこの二つがどのように関わっているのか、この機会を通じて一緒に考えてみてませんか? ■対象年齢:小学校高学年以上 ※対象年齢以外の方でも自由にご参加いただけますが、難易度等は対象年齢に合わせて進行いたします。 |
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※日本の動物園等で飼育されている霊長類の種数は102種類です。(2015年3月31日時点、GAIN調べ。種間雑種その他の分類不明なものは除く。) |