■日時:2017/7/23(日) 12:30~13:15 ■講師:川本 芳 先生 (京都大学霊長類研究所 人類進化モデル研究センター・准教授) ※プロフィールはこちら ■内容: ブータンはインドと中国に接する面積が九州の0.9倍、人口が80万人足らずのヒマラヤ南麓の小さな国です。 7割以上が森で、保護区の面積が6割を超える森林の国です。 住民の57%は農民で、チベット仏教徒が75%を占めています。 国民の幸福を大事に考え、精神的幸福と物質的発展の調和をめざしています。 今回はこの国での人と動物の関わりについてふたつの話をします。 ひとつは野生動物による農業被害の話、もうひとつは家畜利用の話です。 ブータンでは命あるものを尊ぶ考えが強く、輪廻転生(りんねてんしょう:人は生まれ変わり、死に変わりし続けること)を信じて殺生をしない習慣が根付いています。 しかし、野生動物による農業被害や人身被害は深刻化していて、人との摩擦を減らすために独特な取り組みをしています。 一方、この国ではミルクを搾るウシたちを交配して利用する伝統的な畜産があります。 これには人がもつ生命観だけでなく、家畜のもつ生態が関係しています。 これらの話題からブータンに見るユニークな人と動物の関係について考えます。 ■対象年齢:小学校高学年以上 ※どなたでもご参加いただけますが、難易度等は上記に合わせて進行いたします |
![]() 電気柵をくぐり抜ける被害地のサル ![]() 3種類のウシ(ヤクとミタンと在来牛)の交配から生まれたウシ |
※日本の動物園等で飼育されている霊長類の種数は102種類です。(2015年3月31日時点、GAIN調べ。種間雑種その他の分類不明なものは除く。) |