■日時:2018/5/27(日) 12:30~13:15 ■講師: 川口ゆり先生(京都大学霊長類研究所・思考言語分野・大学院生) 街なかで赤ちゃんを見ると多くの人が「可愛い」という声を発します。 可愛いと感じてもらい、好んでもらうことは、赤ちゃんが育つ上で必要なサポートをまわりから得ることにつながります。 それではヒト以外の動物も、赤ちゃんをおとなとは異なる存在として認識しているのでしょうか? なにをもとに赤ちゃんをおとなから区別しているのでしょうか?赤ちゃんを可愛いと感じているのでしょうか? その問いに答えるために、私はヒトの進化の隣人であるチンパンジーやボノボの研究をしています。 研究のひとつとして、アイトラッカーという特殊な装置を用いて、チンパンジーやボノボがどのように、赤ちゃんやおとなを見ているのかを調べています。 チンパンジー、ボノボ、ニホンザルの親子の写真を見せて、赤ちゃんとおとなのそれぞれの顔をどれぐらい長く見つめるか調べたところ、 チンパンジーとボノボは異なる見方をしていることがわかってきました。 ヒトの養育行動の進化的な起源について考えてみたいと思います。 |
![]() 野生のチンパンジー母子 ![]() アイトラッカーによる研究の様子 |
※日本の動物園等で飼育されている霊長類の種数は102種類です。(2015年3月31日時点、GAIN調べ。種間雑種その他の分類不明なものは除く。) |