■日時:2018/6/24(日) 12:30~13:15 ■講師: 松島慶先生(京都大学野生動物研究センター・大学院生) 我々ヒトを含め、サルの仲間は、様々なものを食べて暮らしています。 その中で、ロリスの仲間を含めた一部のサルは「植物ガム」という、いわゆる樹液を主食として食べています。 チューインガムの原材料としても知られるガムの主成分は食物繊維で、非常に消化しにくいものです。 なぜ彼らはガムを好んで食べるのか、ガムを食べることでどんな効果があるのか。 それを調べるために、私はロリスの腸内細菌に注目して研究を行っています。 腸内細菌とは、乳酸菌などの、文字通り腸の中に住む細菌たちのことで、その宿主が食べたものの消化を手助けしているとされています。 それだけではなく、宿主の健康面にも大きく関わっていることもわかってきています。 消化が難しいガムから栄養を吸収するために、ロリスたちもきっと腸内細菌の助けを借りていることでしょう。 今回は、野生下のロリスと飼育下のロリスが実際にガムを食べる様子と、 そのときにロリスの腸内細菌がどのように変化したのかという研究の様子を紹介します。 |
![]() 研究に協力してもらったJMCのレッサースローロリス(スロット) ![]() えさ箱にあるガムを熱心になめるようす |
※日本の動物園等で飼育されている霊長類の種数は102種類です。(2015年3月31日時点、GAIN調べ。種間雑種その他の分類不明なものは除く。) |