■日時:2019/3/24(日) 12:30~13:15 ■講師: 齋藤美保先生(京都大学野生動物研究センター・大学院生) 皆さんのなかには、自分のお母さん以外からお乳をもらう、「もらい乳」行動が存在する、と聞くとギョッとされる方もいるかもしれません。 授乳は女性にとって、非常に大きなエネルギーを必要とします。 しかし、このもらい乳は、昔の日本社会、またアフリカに住む狩猟採集民においては現在でもよくみられます。 そして、もらい乳はヒトだけに限らず他の哺乳動物でも、飼育下・野生下双方において観察されています。 飼育下のキリンにおいて、もらい乳は高い頻度で起こることがこれまでにわかってきました。 しかし、野生下のキリンでは、この行動は今までにわずか一例しか観察されていません。 キリンは複数の母子ペアが集まって、子育て集団を形成します。 今回は、この野生下のキリンの子育て集団に着目することでわかってきた、もらい乳の起こる背景、飼育下と野生下で違いが生じる要因についてご紹介したいと思います。 写真(上):キリンにおいても、お乳は子の成長に重要です 写真(下):離乳前の子とその母親が数ペア集まって、子育て集団が形成されます |
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※日本の動物園等で飼育されている霊長類の種数は102種類です。(2015年3月31日時点、GAIN調べ。種間雑種その他の分類不明なものは除く。) |